日本の優れた医学研究に贈る「第43回ベルツ賞」の一等賞に、木下茂京都府立医科大教授らのグループによる「再生医学による重症角膜疾患の新規治療法開発への戦略的研究」が選ばれ、14日に東京で贈呈式が行われた。
一等賞を受けたのは、木下教授をリーダーとする府立医大、同志社大再生医療研究センター、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの研究グループ。目の角膜表面を覆う「粘膜上皮幹細胞」が傷ついた重度疾患の新しい治療法として、角膜や口の粘膜の幹細胞を羊膜で培養した上皮シートを作り、角膜表面を直す世界初の手法を開発。臨床応用を進め、再生医療の先駆的な成果として注目されている。
木下教授は「基礎研究から臨床までチームとしてやってきたことが評価を受けてうれしい。これまで治療法がなかった患者に光を提供しうる手段であり、責任を感じながら進めていきたい」と話している。
ベルツ賞は、明治初期に日本の近代医学の発展に貢献したドイツ人医師エルウィン・フォン・ベルツ博士を記念して、ドイツの世界的製薬会社ベーリンガーインゲルハイムが創設した。本年度のテーマは「感覚器の医学−基礎と臨床」で、二等賞は伊藤壽一京都大医学研究科教授らの「内耳障害への再生医学的アプローチ」など2件の研究が選ばれた。
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これほどふさわしい研究はありませんな。何かを受賞するほど大きな研究だと思っていましたが。おめでとうございます。
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