今年(2006年)3月に米国で発売されたばかりの経口避妊薬Yaz (Berlex社)の、月経前不快気分障害(PMDD)の治療に対する追加適応が、米国食品医薬品局(FDA)により承認された。
月経前症候群(PMS)は比較的良く知られているが、PMDDはそれよりも重症で人間関係、社会活動、仕事などの日常生活に支障を来すものをいう。PMDDの症状は、乳房の張りと痛み、頭痛、下腹部痛、むくみなどの身体症状のほか、激しい気分の変化、悲壮感、緊張感、不安感、怒りやすい、集中力低下、特定の食べ物の切望、不眠などで、月経の1〜2週間前に出現し月経開始後1〜2日で軽快する。製薬会社の調べでは、全米で450万人近い女性がこの症状に該当するが、その約90%は診断されていないという。
今回効能が追加された経口避妊薬は、新しい黄体ホルモンのドロスピレノン(drospirenone)と卵胞ホルモンのエストラジオールを低用量含有している。18〜40歳のPMDD女性約450人を対象に、同薬と偽薬を比較した試験では、症状が改善した率は偽薬の36%に対し、薬剤では48%であった。
閉経前の女性で、周期的に月経前に身体的および精神的症状が顕著に現れる場合は、自分で鎮痛薬を飲んで我慢するだけでなく、婦人科の医師に相談し積極的に治療を受けることによって、生活の質(QOL)の改善が得られるかもしれない。
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生理前の症状が物凄く強い人、周囲にいませんか?著しく生活の質を下げているので、もうウンザリという人は経口避妊薬を使用してみるといいかもしれません。以前から、経口避妊薬(ピル)を飲んでいる人は生理痛が少ないといわれていましたが、アメリカでは正式に「治療」として承認されたようです。おそらく日本でもなるのでは、とは思いますが、まあ今でも手に入りますし、ガマンするよりは飲んでみたほうがいいんじゃないでしょうか。
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