ウニのゲノム(全遺伝情報)の解読を、欧米の研究チームが完了した。遺伝子数はヒトとほぼ同じ2万3000個で、遺伝子の70%がヒトと共通していた。研究チームは「遺伝子レベルでは、ハエや線虫に比べヒトに近い。このデータは進化の解明につながる」と驚く。10日付の米科学誌「サイエンス」に発表する。
解読によると、ゲノムの大きさを示す塩基数は8億1400万対でヒトの4分の1だった。チンパンジーとヒトは99%の遺伝子が共通しているが、ハエとヒトは40%とされる。
また、今回の解読で、ウニは生まれながらに病原体を認識するよう働く遺伝子をヒトの20倍多い200個以上持つことも判明。研究チームのカナダ・トロント大の日比野拓研究員(医学生物物理学)は「病原体の感染後に得る獲得免疫を持たないことを反映していると考えられる。ヒトの感染防御の仕組み解明にも役立てたい」と話す。
ウニは、せきつい動物と共通する祖先から5億2000万年前に分かれたと推定されている。生物の発生過程などを調べる実験によく利用される動物として重宝されている。
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ウニのような生物でも、70%も共通しているとはねぇ。遺伝子の不思議ですな。いや、生物なら結構一緒なものなんですね。遺伝子を少しいじればわけのわからん生き物が生まれてくる可能性も。
宇宙の生き物も、生物活動をしている以上ある程度地球の生き物と同様の姿をしたものが生まれてくるであろうという予測がされているみたいですが、遺伝子が70%同じウニとヒトでこれだけ違うのですから、どんな姿をしているのかは分からないものですね。
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