2006年11月10日

カネミ油事件の被害者の孫からも高濃度のダイオキシンが検出

へその緒から高濃度ダイオキシン

 最大の食品公害とされる「カネミ油症事件」に絡み、女性被害者の孫の「へその緒」に、被害の原因となったダイオキシン類が通常より高濃度で含まれていることが、宮田秀明・摂南大教授(環境科学)らの研究で確認された。

 カネミ油症を巡っては、胎内で影響を受けたとみられる3人が既に被害者認定を受けているが、今回の研究は、被害者の子供にとどまらず、孫の世代にまで影響が及んでいることをうかがわせる結果となった。12日に東京都内で開かれる環境ホルモン学会で発表される。

 研究は、母親の胎盤を通じて胎児がダイオキシン類にさらされる被害の世代間連鎖を裏付けるため、宮田教授とカネミ油症被害者支援センターによって行われた。女性被害者5人(うち認定被害者1人)の子供9人、孫2人にへその緒を提供してもらい、ダイオキシン類の濃度を測定した。

 孫2人は、1995年と2000年生まれのきょうだいで、濃度は乾燥したへその緒1グラム当たり220ピコ・グラム(ピコは1兆分の1)と130ピコ・グラム。同年代の人の平均とされる85ピコ・グラムと比べて高濃度だった。家族によると、2人とも病弱という。子供9人については、350ピコ・グラムから1万1000ピコ・グラムと幅があった。

 孫2人の濃度について、宮田教授は「通常の値に、油症の影響が上乗せされた数値ではないか」と分析。「より多くの人のへその緒と、自覚症状を調べ、一般の人と比較することで、ダイオキシン類の影響がより明確になる」としている。

 68年に発覚したカネミ油症は、カネミ倉庫製の米ぬか油に混入したポリ塩化ビフェニール(PCB)に含まれるダイオキシン類により引き起こされた。黒いニキビや全身の倦怠感など症状は様々で、これまでに1892人が被害者として都道府県に認定され、カネミ倉庫から医療費の自己負担分が支給されている。被害者の孫が認定されたケースはない。

[解説]埋もれた被害 調査進まず
 
 カネミ油症事件が発覚してから38年が経過しても、子供、さらに孫の世代がどれほどの影響を受けているかは、分かっていない。

 厚生労働省の全国油症治療研究班も、次世代に対する継続的な調査はしていない。主任研究者の古江増隆・九州大教授は、「子供に油症について話しておらず、調査に協力できないという患者が多い」と語る。

 発生当初、保健所に被害を届け出たのは、1万4000人。厚労省は、未認定患者に加え、子供、孫の世代についても現状を把握し、埋もれた被害者の救済を検討するべきだ。

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 むう、いつになっても終わることはないのでしょうか。身体に蓄積されていても、いつかは綺麗になるとは思いますけどね…。以下、現状の引用です。

■世代超え汚染

 被害は終わるどころか、世代を超えて広がっていた。

 長崎市内に住む男性(71)は三十六年前、五島列島のある町でカネミ油を使った料理を食べた。一家六人が発症。本人は、肝臓、心臓、脳、甲状腺などを患い、死線をさまよった。妻は八年前、下半身不随になる原因不明の神経病を発症、今年他界した。母乳からカネミ油を摂取した娘の一人は、皮膚に色素が沈着する「黒い赤ちゃん」だった。その娘が十数年前に産んだ女児も黒い赤ちゃんだった。

 「娘ばかりか孫まで。これから孫が心に受ける傷を考えると、心配で…。私たちのような原因不明の症状が孫に出てこないか、恐ろしい」と男性は沈んだ声で言った。

 カネミ油症被害者支援センター(東京)が二〇〇二年に実施した女性被害者調査によると、五十九人中二十九人(49%)に子宮内膜症などの生殖障害があり、事件以後の妊娠八十四件のうち流産・死産・中絶が二十件(24%)、「黒い赤ちゃん」出産も八例あった。

 健康被害は、カネミ油を直接摂取していない次世代にも及んでいた。だが治療法はいまだ見つからない。このような追跡調査はほとんどなく、被害の実像すら分からないのが実情だ。

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posted by さじ at 21:04 | Comment(2) | TrackBack(0) | 生理
この記事へのコメント
私はカネミ油症患者の子供です。
現在手のひらなどの皮膚疾患と、生殖器の病気を患っていて、毎日手を隠しながら生活しています。

いつがんになるのかわからない。
いつもっと大きな病気になるのか分からない。
考えていて頭が痛くなります、

誰も助け方を知らず、
国も助けようとなんてしていないんですから、
国民主権なんてあったもんじゃないですよ。
Posted by 佐藤 生 at 2008年05月10日 03:38
昨日TVでカネミ油症事件を知りすごい衝撃をうけました。
世の中にこんな苦しんでいる人がいるんだと信じられませんでした。絶対許すことができない事件だと思います。病気になっている人は正直に伝え病院で治療すべきですし、国も直接事件に関係はないですけれど、これだけ36年間も続いている魔の病を追求し、治してやるべきだと思います。私も勿論ですがきっと国民の皆も応援してくれると思います。もっと、皆にわかって貰えるように
伝えてください。
Posted by jun-tan at 2010年06月15日 20:07
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