神戸大と先端医療センター(神戸市)は、スポーツや事故などで傷ついた膝の軟骨を自分の細胞を使って再生させる治療について、国の承認を得るのに必要な臨床試験(治験)を今月内に始める。同種の取り組みでは、国内で最も早く保険がきく治療になると期待されている。
この治療は、自分の膝に残っている軟骨から、数ミリリットルの細胞を注射で取り出して培養し、約10日後に欠損部に移植する。今月内に始める治験は20〜50歳の10人を予定。1年間経過を観察する。
残った軟骨の一部を切り出して、そのまま移し替えるなどの治療法はすでにあるが、対応できるのは4平方センチ程度の傷。新方式なら、約9平方センチまで治療できるようになるという。
軟骨の再生治療は欧米では2500例以上の実施例があるが、国内では取り組みが遅れている。責任者の神戸大・黒田良祐准教授(整形外科)は「今後、靱帯損傷を伴う膝のけがや高齢者に多い変形性膝関節症にも広げたい」と話している。
もともと再生医療の分野において、一番進んでいるのが軟骨の再生ですし、本来ならもっと早くやるべきだったんでしょうけれども。満を持して日本でも導入。膝は色々と傷めやすいところですし、苦しんでいる人も、スポーツをやる若者から高齢者まで多いので、今後の発展が期待されます。