2006年11月08日

ES細胞から、人工肝臓を作ることに成功

ES細胞から人工肝臓、マウス実験で成功 岡山大助手ら

 いろいろな組織や臓器に育つ可能性があるマウスの胚性幹細胞(ES細胞)から作り出した肝細胞を袋状のものに組み込んで体内に埋め込む「人工肝臓」を、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の小林直哉助手(45)らのグループが開発した。肝臓の9割を切除したマウスに埋め込んだ実験でも救命効果が認められた。ヒトのES細胞の利用には倫理的な課題があるが、将来の人工肝臓の臨床応用に近づく成果と注目される。

 成果は5日付米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー(電子版)に発表された。

 人工肝臓は、ポリエチレンなどからできた1.5センチ四方、厚さ5ミリ足らずのバッグ状のもの。これを体内に埋め込み、この袋にES細胞から作った肝細胞を注入する。袋には毛細血管が伸びてきやすくなる物質が塗ってあり、血管からしみ出た体液中のアンモニア毒素などの老廃物が袋の中の肝細胞によって分解され、肝細胞が作った成分も吸収されるように計画。肝臓の9割を切除して急性の肝不全状態にしたマウスで実験した。

 その結果、その後何もしなかったマウスでは、実験に使った10匹すべてが4日以内に死亡したが、人工肝臓を埋め込んだマウスは、2週間の実験期間中で10匹中9匹が生存。アンモニア濃度なども1週間前後で正常値になっていた

 グループでは、人間の肝不全治療に使う場合、25センチ四方程度の袋が必要になると試算。ヒトES細胞を使った治療は生命倫理上、認められておらず、実際に人間へ応用するには時間がかかる見通しだが、小林さんは「将来的には肝臓移植を待つ人や、慢性肝炎で肝機能が低下した人への急場をしのぐ治療法として実用化したい」と話している。

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 Sugeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!!!!!!

 これは進歩しすぎですね。まさかいきなり人工肝臓が現実的になるとは。パックには肝細胞と毛細血管の生成を促す物質しかないようですが、人間に応用が効くのでしょうか。うまく門脈と繋げて、パックそのものが肝臓と同じように機能してくれれば案外うまくいくかもしれません。これからに期待です。

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posted by さじ at 02:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 消化
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