災害時に避難所などで緊急的に治療する際のカルテについて、日本集団災害医学会など3学会が、統一した書式作りを始めた。応援の医師が交代しても患者情報が引き継がれるうえ、地域の拠点病院などが集約して分析することで、感染症など疾病の発生状況を素早く把握できる。学会横断の検討会でカルテに盛り込む項目などを議論し、今年度内の完成を目指す。
検討されている災害時用カルテの利用期間は、災害発生直後から地元の医療機関が復旧するまでの1カ月〜1カ月半程度を想定。被災地では特に感染症の流行が懸念されるため、災害時用カルテには、発熱や下痢の症状を詳しく書き込む項目を設ける見込み。
近年は電子カルテが普及しているが、インターネットや電話などの通信手段が被害を受けることもあり、災害用カルテは紙との併用も検討する。
国のまとめでは、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県では、6911の医療機関のうち1474機関で建物に被害があり、377機関が外来患者の受け入れが不可能になったか制限した。一方で4000人以上がけがをし、多くの人が避難生活で体調悪化を訴え、全国から支援に入った医師が避難所を巡回するなどして診療にあたった。
医師法は、カルテに名前や住所、症状、治療法、診療年月日の4項目を書き込むと決めているが、書式は医療機関によって異なる。このため被災地では、患者の生年月日などが詳しく書き込まれたものから内容に乏しいものまでばらつきが大きく、集計しにくかった。加えて、地域によっては混乱でカルテ自体が引き継がれないケースもあり、応援の医師が入れ替わると患者の投薬情報が分からなくなるなどの問題があった。
検討会の委員長の小井土雄一・災害医療センター救命救急センター長は「災害時のカルテ統一は長年の懸案だった。今度こそ全国で統一して、現場で確実に連携を取れるようにしたい」と話している。
なんとかならんのかなーと思うのが、被災しても使える電子カルテの開発ですね。
まず紙カルテの圧倒的デメリットは、「字が汚すぎて読めない」「既往歴や内服などが検索できない」ことでしょう。もう圧倒的。正直紙カルテのいいところっていうと「メモみたいに殴り書きできる手軽さ」と「電気使わない」ことぐらいです。全国の病院で電子カルテにしないと事故りますね。被災してたら特に。
ちょっと分厚くなってもいいですから、電池内臓の電子カルテとかできないですかねー。クラウドシステム使ってさ。