2006年11月05日

大量のパン食は腎臓癌を引き起こす可能性がある

大量のパン食が腎臓癌をもたらす

 腎臓癌患者と非患者の食物摂取を比較したイタリアの研究で、パンを大量に摂食している人では、少量の摂食者に比べ腎臓癌のリスクが2倍高いことが明らかになった。しかし、米国の専門家は、こうした研究は再現性と一貫性が必要で、結果の解釈は慎重にするべきだと忠告している。

 医学誌「International Journal of Cancer」10月20日のオンライン版に掲載された研究では、Mario Negri 薬理学研究所(ミラノ)のFrancesca Bravi氏らは、24〜79歳の腎臓癌患者767人と、同年齢層の非患者1,534人を対象に、食事、生活習慣、本人や家族の病歴を尋ねるとともに、身長と体重からBMI(肥満指数)を割り出した。また被験者は、78食品について過去2年間分の1週間毎の平均摂取量を回答した。

 パンを最も多く摂取したの人は週28人分で、最も少ない9人分の人より腎臓癌リスクが2倍近く高かった。1人分は50gの計算で、パン1〜1.5枚に相当する。パスタや米を最も多く摂取した人では、リスクは上昇していたが統計的な有意差は認められなかった。牛乳やヨーグルトを大量摂取した人では、腎臓癌リスクは1.3倍高かったが、鶏肉、加工肉や野菜の摂取量が多い人ではリスクは低下した。

 Bravi氏は、パン、パスタ、米の大量摂取と腎臓癌リスク上昇の関係は、これらの食品が血糖を上昇させることが原因ではないかと推測している。同氏は、こうした食品の大量摂取は、癌に関与するインスリン様成長因子の濃度に作用し、癌の発生プロセスに影響する可能性があるという。

 しかし、米国癌協会(ACS)スポークスウーマンのKarji McCullough氏は、同研究には限界があると指摘する。被験者は食事内容を2年分思い出す必要があり、また、腎臓癌患者は、自分と非患者の食事で異なる点を思い出した可能性もある。さらに、パン摂取が直接関与したのではなく、パンと一緒に多量のバターを摂取したなど、別の要因も考えられるという。同氏は、現時点で腎臓癌リスクを軽減する最良の方法は、肥満や喫煙など、既知の要因を改善することだと述べている

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 若干怪しい研究データですね。パンとの直接の因果関係がつかめているわけではないのでそこまで深刻に考えることはないかも…。でももしかしたら「白米と脚気の関係」を見出した高木兼寛や鈴木梅太郎などのようにパンと癌にも関係があるかもしれないので無下に否定することはできませんね。

関連:医学処 和食生活だと大腸ポリープ発生率が3割減少


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posted by さじ at 03:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん
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