入院した時にいくらぐらいかかるかを表したデータはいろいろありますが、ここでは厚生労働省の「平成21年度医療給付実態調査報告」をもとに医療費をみていきます。
医療給付実態調査は、平成21年5月〜平成22年4月に審査決定された診療報酬明細書および調剤報酬明細書(レセプト)を集計対象とし、そこから入院費用等を求めています。国民健康保険や組合管掌健康保険など、健康保険の種類ごとに医療給付の実態を確認することができます。
1年間に健康保険が適用される病気やケガで入院する確率(受療率)は、国民健康保険が2割程度とやや高めですが、おおよそ1割程度となっています。後期高齢者医療は被保険者の年齢構成が他とは大きく異なるため、圧倒的に高くなっています。
1件あたりと1日あたりの入院診療費は健康保険からの給付額であり、入院患者(健康保険の被保険者)が負担している額ではありません。仮に自己負担割合を全て3割とすると、例えば、国民健康保険計の1件あたりの入院診療費は198,781円となります。入院診療費の一番少ない共済組合では168,293円なので、1回の入院では、平均で20万円弱の診療費がかかると想定できます。
ただ、表の入院診療費には入院時の食事・生活療養や調剤にかかる費用は含まれていません。また、差額ベッド代などの健康保険が適用されない費用も含まれていません。その一方で、健康保険には高額療養費制度があるので、20万円も負担しなくて済む場合もあります。
日本の入院費用は、まぁ爆安ですよねぇ。実際にかかっている費用を自由診療、つまり保険も税金も何も使わなければその倍、下手すると10倍にもなりましょうか。
入院する時は安心して入院してほしい。そして、入院してない時はこういうこともあるということで、ちゃんと保険に入り、保険料を納めてほしいですね。何が起こるかわかりませんから…。