2012年04月28日

喫煙によってCOPDになるメカニズムにFut8へテロ欠損が関与している

喫煙によって慢性閉塞性肺気腫の発症が早まるメカニズムを解明

 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、喫煙によりコアフコース糖鎖の修飾が阻害されることで肺胞壁が破壊され、慢性閉塞性肺気腫(COPD)の発症が早まることを明らかにしました。これは、理研基幹研究所(玉尾皓平所長)ケミカルバイオロジー領域 疾患糖鎖研究チーム/阪大産研−理研アライアンスラボの谷口直之チームリーダー、高叢笑研究員と、群馬大学医学部附属病院呼吸器・アレルギー内科の前野敏孝講師との共同研究による成果です。

 COPDは、酸素と二酸化炭素を交換する肺胞が破壊される肺気腫と慢性気管支炎の総称で、気道閉塞による呼吸困難を引き起こします。ウイルスや細菌に感染すると急激に症状が悪化し、死亡率が非常に高くなります。わが国を含め世界的に患者数が多く、その治療法の開発が喫緊の課題となっています。COPD発症には喫煙などの外的要因とさまざまな遺伝的要因が関係していると考えられています。これまでに研究グループは、コアフコース糖鎖を欠損したマウスを用いた実験で、コアフコース糖鎖の減少がCOPD発症の要因の1つであることを見いだしていましたが、喫煙との関係については不明でした。

 研究グループは、喫煙とコアフコース糖鎖の減少の関係を明らかにするために、Fut8ヘテロ欠損マウスに喫煙させ、経過を観察しました。その結果、正常なマウスに比べて2倍早くCOPDを発症することを見いだしました。さらに、喫煙によりこのマウスの肺組織ではコアフコース糖鎖が減少し、それがタンパク質を分解する酵素のMMPを異常に活性化して、肺胞壁を破壊していることが分かりました。

 これらのことは、喫煙によってコアフコース糖鎖の合成阻害が進み、COPD発症を早めて症状を悪化させていることを示しています。今後、Fut8ヘテロ欠損マウスを用いて喫煙によって発症するCOPDの病態を調べることで、ヒトに対するCOPDの予防、早期診断、治療薬の開発につながるものとして期待できます。



 喫煙の恐いところは時限爆弾みたいなもので、数十年後にCOPDになるかもしれんということですね。

 このCOPDというのがやっかいで、特に近いところにCOPD患者のいる人はその恐ろしさが分かると思いますが、最終的には普通の空気を呼吸して取り込んでも酸素が身体に行き渡らなくなります。ですので最終的に、「常に酸素を携帯し肺に酸素を取り込まなければならなくなる」状態になり、どこへ行くにも酸素ボンベの携帯が必要となってしまいます。

 そのメカニズムを解明したのが今回の研究ということです。まだメカニズムがわかっただけなので、治療がすぐ出来る訳ではないですが、大きな一歩であることに違いません。しかしやはり予防のための禁煙が一番なのでしょうな。


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posted by さじ at 20:47 | Comment(0) | 呼吸
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