オー157などの腸管出血性大腸菌から放出され、重い食中毒の原因となる「ベロ毒素」を無害化する化合物を、同志社大生命医科学部の西川喜代孝教授らの研究グループが開発した。
投与が早いほど有効で、重症化を防ぐ薬剤開発への応用が期待される。
ベロ毒素は、血管の細胞に侵入して死滅させるため、毛細血管の多い腎臓や脳にダメージを与える。溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などに進行すると、死亡する場合もある。
グループは20種類のアミノ酸を様々に組み合わせ、毒性の強い2型のベロ毒素と最も強く結合するものを選別。この化合物と結合した毒素は、不要なたんぱく質を処理する細胞内器官「リソソーム」によって分解されることを確認した。
一時期の食中毒騒ぎで認知されることになったベロ毒素ですが、ようやく治療薬のようなものの兆しがみえてきたようです。あと数年すれば特効薬として全国的に配備されるんでしょうなあ。