2006年11月04日

何故鼻が詰まると味が分からなくなるのかを医学的に解説

鼻が詰まると味がわからなくなるのはなぜか

 カゼをひいて鼻が詰まってから、味が全然わからない。食欲は普通にあるのに、ごはんも味噌汁も、焼き魚も納豆も、甘いアイスすら、なんだかのっぺりした味に思える。さらに、みかんなどは苦くすらある。そんななか、不思議と、唯一、もとの味をとどめているのは、ちょっと苦めのたくあんだった。

 同じ鼻詰まり状態でも、得意な味の分野、苦手な味の分野が存在するのだろうか。そもそも鼻が詰まると、味がわからなくなるのはなぜなのか。医師の友人に尋ねると、「基本的に嗅覚は嗅神経で、味覚の神経とは別。だから、鼻の神経をやられたからといって、味覚の神経がやられていなければ味はわかるはず」と、あっさり否定された。

 あれ? じゃ、なんでカゼをひくと味がわからなくなるの?「それは、カゼによって、鼻の神経がやられて、それと一緒に、味らい(舌の上面にある味覚を感じる器官)が荒れるからでは?」つまり、直接鼻詰まりのせいでなく、カゼの症状によって、味らいが荒れるせいで、味がわからなくなるということだ。

 それにしても、なぜカゼをひくと苦味ばかり感じるのか。「舌は場所によって感じるものが違うんですよ。たとえば、甘いものは舌の前のほうで、酸味は真ん中、いちばん後ろ(奥)が苦味なんです」ちなみに、舌の前方3分の2を支配しているのは「顔面神経」で、後ろ3分の1が「舌咽神経」なのだとか。

 「ひょっとしたら、苦味だけを感じやすいというのは、いちばん奥の舌の神経に比べて、前面の顔面神経のほうがやられやすいのかも?」いろいろな部分がカゼによってマヒしてなお、感覚が残っているのが、いちばん奥の舌の神経ともいえるのかもしれない。

 鼻詰まりとの因果関係は薄いようだが、「苦味」ばかり感じるときは、確実に体の不調のサインのようです。

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 より詳しく言うならば、舌の味覚の前2/3を支配しているのは、顔面神経の枝の鼓索神経です。舌咽神経はそのままです。

 面白いことに、味覚だけでなく知覚も前2/3と後ろ1/3で神経が異なります。前2/3は舌神経、これは三叉神経の枝の下顎神経の枝です。後ろ1/3は味覚と同じく舌咽神経が支配しています。

 ちなみに、舌の運動を支配しているのは舌下神経です。


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posted by さじ at 15:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生理
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