2006年10月30日

全ての治療薬が効かない超多剤耐性結核菌が発生する

「超多剤耐性」結核菌を確認

 「超多剤耐性結核菌」は、結核の治療に使われる4種類以上の薬が効かない結核菌で、東ヨーロッパやアジアを中心に広がりつつあるとしてWHO・世界保健機関が警戒を呼びかけています。結核研究所などのグループは、全国の医療機関に入院している3100人余りの結核患者について、検出された菌を調べたところ、0.5%、17人の患者の菌が超多剤耐性結核菌だったことがわかりました。

 このうち4人は、結核の治療薬として国内で使用されている10種類すべての薬が効かなかったということです。こうした耐性結核菌は、薬による治療を途中でやめるなど不適切な薬の使い方が原因で生まれるとされ、治療がきわめて難しいため、患者は菌を外に排出しなくなるまで、隔離病棟で入院を続けざるをえないということです。

 超多剤耐性結核菌の実態がわかったのはこれが初めてで、研究グループの御手洗聡医師は「耐性菌を生み出さないよう、まず、薬が効く段階できちんと治療をすることが大切だ。また今後はこうした菌に感染した患者を早期に発見し、2次感染を防ぐことが重要になる」と話しています。また、厚生労働省は「治療がきわめて難しい結核菌が一定の割合で見つかったことは重要な問題だと考えている。患者が治療を途中でやめないような対策など、こうした結核菌の発生を防ぐ対策を強化していきたい」と話しています。

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 結核の治療薬には色々なものがありますが、どれも使用できない耐性菌が存在するというこのニュース。数年前から危惧されてきたことですが、やはり生み出されてしまいましたか。

 これはどちらかというと人災だと思います。結核という病気は、治らないものではありません。ですがそのためには適切な治療が必要なんです。「もう治ったからいいかな」と思って、薬を飲まなくなるケースが多く、薬効が弱くなったために耐性をもった菌が生まれるという具合にして、薬剤耐性菌が発生します。そしてそれが他の人にうつる、と…。そんなことを幾度も繰り返していりゃ、そのうち何も効かない菌ができるのは当たり前ですよね。

 何故薬をきちんと飲まないのでしょうか?今病床で苦しんでいる人の元の原因は、薬を飲まなかった貴方のせいかもしれませんよ。

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posted by さじ at 01:29 | Comment(3) | TrackBack(0) | 感染
この記事へのコメント
俺の知人でもいましたが、結核でも軽度だと自宅からの通院治療なんだそうです。そいつは、ある程度症状が治まったらめんどくさいといって、途中から通院を辞めてしまった。(結核の怖さをわかってない無知)その後は俺も忙しいのでそいつにあってないのでわかりませんが、そういう馬鹿がいるために他の人が迷惑するのかもしれませんな。
Posted by 後藤 at 2008年02月27日 14:30
排菌するかしないかで療養方法なども変わりますからね。しかし途中で治療を辞めてしまったということは、少なくとも完治はしていないのでしょう。怖いことです。歩く人間爆弾みたいなものですからね。しかも進化し続けるという…。法律か何かで徹底してほしいですけどね。そうでないと、結核に感染した人は隔離し続けないといけない世の中になってしまうかもしれません。
Posted by さじ at 2008年03月15日 22:11
以前、結核と診断されて、病院に通院していましたが差別され病院嫌いになりました、薬も一週間ほどしか飲んでいません。病原菌をばら蒔いて、歩いて居ると思いますが、そうさせたのも病院の責任ですが、私としては、死ぬまで病院にかかるつもり有りません
Posted by 山川 at 2009年01月21日 15:57
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