道順を記憶している脳の神経細胞(ニューロン)があることを、日本大学大学院の泰羅雅登教授、米ロチェスター大学の佐藤暢哉研究員らのチームが突き止め、24日の米科学アカデミー紀要電子版で発表した。「酒を飲み過ぎて何も覚えていないが、ちゃんと自宅に帰っていた」などという“能力”も、この神経細胞のお陰らしい。
泰羅教授らは、人が脳の頭頂葉内側部を損傷すると、知っている場所でも道順がわからなくなることに着目。レバーを操作して画面上の仮想空間を移動できるシステムを使い、ニホンザルに2階建てのビル内を目的の部屋まで移動する訓練を行った。
道順を覚えた後、脳の働きを調べたところ、ビル内の特定の場所で曲がった時に活動したり、特定の行き先を目指している時だけに活動する神経細胞が、頭頂葉内側部にあることが見つかった。
どの方向に進めば良いかというルート知識、道案内システムが脳内に蓄えられていることが細胞レベルで裏付けられたのは初めてだという。
泰羅教授は「人が周囲の環境を視覚的にどのように認識し、脳がどう処理しているかを解明するのに役立つ成果」としている。
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ほー。
方向音痴の人は、覚えるべき箇所がおかしいとか何とか。「ここにバイクが止まってた」とかいった具合に、動く可能性のある目印で覚えているために、一度きた場所でもわからなくなってしまうらしいです。
それ以外に、もしかしたらこのニューロンの機能が低下している可能性もありますね。道順を記憶する箇所のニューロンが働かなかったら、通常のことはこなせても道順だけは覚えられないという事態に陥ってしまうわけです。
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