猫の尿のにおいのもとになる物質は猫特有のたんぱく質「コーキシン」で作られていることを、理化学研究所と岩手大のグループが突き止めた。飼い猫の尿のにおいに悩む人は少なくないだけに、研究グループは「コーキシンの合成を抑制できる物質を開発して猫に食べさせると、消臭に役立つだろう」と話している。20日付の米科学誌「ケミストリー&バイオロジー」電子版に掲載される。
一般に、人間やほ乳動物の尿にたんぱく質が混じると、腎臓機能の障害を示す兆候とされる。しかし猫の場合、健康であっても尿に大量のたんぱく質が含まれている。
グループは03年、尿中たんぱく質の90%以上が、腎臓で作られる猫特有のたんぱく質で占められていることを発見。猫が好奇心の強い動物であることから、「コーキシン」と命名した。
その後、コーキシンがどんな働きをするか解明するために実験を重ねたところ、尿の中のある物質にコーキシンを混ぜると、この物質が分解され、猫の尿にだけ存在し、においの原因となるアミノ酸「フェリニン」ができることが判明。コーキシンとフェリニンは猫が成長するにつれて増えることも分かった。
獣医師で理研の宮崎雅雄グループディレクターは「コーキシンとフェリニンは、雄の方が雌や去勢したオスより約4倍も多かった。異性をひきつけるフェロモンと関係するかもしれない」と話している。
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猫の尿は強烈ですからねぇ。その原因が、好奇心にちなんでコーキシンとは。なかなかのネーミングセンスではありませんか。
猫の尿には蛋白が含まれているというのも驚きです。人間は、蛋白が出てきたら異常ですからね。