宇宙に1か月以上滞在した宇宙飛行士らに、目と脳の異常が見つかったとの論文が、12日の米学術誌「Radiology(放射線医学)」に掲載された。長期の宇宙探査ミッションの計画が大きく後退する可能性もある。
研究チームは、スペースシャトルミッションか国際宇宙ステーションに乗船した宇宙飛行士27人のMRI(磁気共鳴画像撮影装置)を分析。宇宙飛行士らの宇宙滞在期間の平均は108日間だった。
シャトルミッションは通常数週間程度だが、ISS滞在は6か月以上におよぶ場合もある。また、数十年後に予定されている火星の有人探査計画は、最長で1年半に上る見込みだ。
研究チームによると、合計で1か月以上宇宙に滞在した飛行士たちには、多様な合併症が発症していた。これらの症状は、脳への原因不明の圧力により生じる症候群と似ていたという。
宇宙飛行士の33%には、視神経周辺に脳脊髄液の過剰分泌が見つかった。また22%からは、眼球の裏側が平らになる症状が見つかった。また15%では視神経の肥大化が起き、11%は脳下垂体に変化が見られるとともに脳下垂体と脳とのつながりも変化していた。脳下垂体は視神経の間に位置し、性ホルモンの分泌や甲状腺の調節を行っている。
宇宙に居続ける、というのは、難しいことですねぇ。
確かに冷静に考えれば重力という力が加わった状態で我々の血液やら髄液やらが動き、そして各種臓器はその状態でいたわけですから、それが無重力となれば圧力のかかり方が異なる訳で、それ相応のダメージもあるんですかね。
数十年後には宇宙に行ける時代がくるんでしょうけれど、そうした時にそれなりの医学の発展があると心強いですね。