メドアップス(アリゾナ州スコッツデイル)は近く、糖尿病患者の血糖値を携帯電話を使って自動的に確認する遠隔監視システムを試験導入する。
アリゾナ・リパブリックによると、同社の遠隔監視システム「D-PAL」では、患者が血糖値測定機で測ったデータを自分の携帯電話に送信するだけで、そのデータが血糖値レベルを確認するオンライン・サーバーに送信される。血糖値が適切な水準より高すぎたり低すぎた場合、自動応答機が患者に電話を掛け、食事や運動、薬の服用などに関する「はい・いいえ」式の質問をする。これらのやり取りは、ナース・コールセンターや主治医に転送される。
同社は近く、ペンシルベニア州の高齢者向け医療保険制度(メディケア)と医療扶助(メディケイド)受給者50人を対象に試験導入する。
同社は、初めの販売対象をメディケア・メディケイド受給者の健康を統括する疾病管理会社とみている。料金はシステムが約300ドル、毎月の使用料が65ドルとなる。最終的には一般向けにも販売するが、価格は未定。ケント・ディックス社長兼最高経営責任者(CEO)は「このシステムは、簡単に患者の病状を把握でき、問題があった時だけ対応する」と説明した。
遠隔地から患者の健康状態を把握する医療機器は、高騰する医療費を抑える方法として近年注目が高まっている。米国糖尿病協会(ADA)によると、2002年の糖尿病患者の医療費はそのほかの患者の2.4倍に上った。患者が自分で定期的に健康状態を把握し健康に留意することで、コストの抑制が期待できる。また、通信医療技術を使った管理方法は、医療機関まで足を運ぶことが難しい患者にも朗報となる。
これまでも地上回線やインターネットを使って患者のデータを送信する装置はあったが、携帯電話を利用したシステムは少ない。ディックスCEOは「携帯電話さえあれば、自由に外出することも可能で普通の生活を送れる」と話した。
またD-PALは、情報を記録する技術が搭載されているため、電波が届かない場合は、サーバーに送信できるようになるまでデータを携帯電話に保存することが可能だ。糖尿病の子供の血糖値を測定するために常にスケジュールを調整しなければならない親にとって、便利な装置と考えられている。
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糖尿病患者の生活面を把握することは大事ですが、これが強制力をもつ風潮になったりすると失敗に終わると思います。面倒だったら血糖値を偽ることもできるわけですし。患者の心は配慮しないといけませんからね。
とはいえ糖尿病の10代などには有用だと思いますから、うまいこと偽造できない工夫を施してほしいですね。例えば血糖値を測る機械からそのまま携帯電話と連動できる仕組みとか。これならデータ捏造は不可能でしょう。
自分のことですから、そんな偽りをしても意味ないんですけどね。やっぱり人間ですから。
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