東京医科大学病院(東京都新宿区)は16日、8月から9月下旬にかけ、抗生物質が効かない多剤耐性緑膿菌(MDRP)に感染したがん患者4人が死亡していたことを明らかにした。感染と死亡の因果関係は明らかでないものの、同病院では「院内感染による死亡の可能性は否定できない」として、専門家による外部調査を実施するとしている。
同病院によると、がんで入院し8月に肺炎で死亡した40代女性のたんからMDRPを検出した。同室患者の検査で感染者は出なかったが、9月にこの女性と同室や同病棟にがんで入院していた50代女性2人が肺炎で死亡。2人の血液からMDRPが出たため詳しく調査した結果、同病棟の2患者(50代女性1人はその後がんで死亡)からもMDRPを検出した。
MDRPは台所などの水回りにある緑膿菌の一種。入院患者など免疫力が落ちている人が接触などで感染する。抗生物質などが効かないため肺炎や敗血症を発症して死亡する場合もある。同病院では毎年15件ほどMDRPを検出していたが、散発しており、院内感染を疑わせる例はなかったという。
会見した同病院の岩本俊彦病院長は「MDRPを通常検査ですべて検出することは難しい。いずれも重いがん患者であり、感染経路や死亡との関連も含め外部調査結果を待ちたい」と話している。
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緑膿菌は、抗生物質に対して沢山耐性をもっているため、もう効く薬が何もないというところまできているのが現状です。新しく抗生物質が作られない限り、人類に勝ち目はありません。詳しくは下記リンクにて。
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