2006年10月13日

未熟児網膜症は早期手術を行えば失明しなくなる。

重症の未熟児網膜症、早期手術が効果

 重症の未熟児網膜症の新生児に対し、病状が悪化する早期に眼球手術を行い、8割以上で失明を回避することに、国立成育医療センター(東京都世田谷区)の治療チームが成功した。

 失明の原因となる網膜剥離を防ぐ手法で、日常生活に困らない視力が望めるなど治療効果が生まれている。

 未熟児網膜症は、光を感知する網膜を養う血管が十分に成長せずに生まれ、その血管が、目の奥にある硝子体で増殖、収縮し眼球組織に変性を起こす病気。網膜剥離で失明することも多く、特に、血管増殖が約1週間で一気に進む重症タイプは、ほぼ全員に重い視力障害が残る。年間約1000例に及ぶ小児の失明原因の30〜40%がこの病気だ。

 従来の治療は、増殖する血管周辺をレーザー光で凝固し、病変の拡大を防ぐ。網膜剥離の場合、血管の増殖が終わった段階で病変部を取り除く硝子体手術を行うのが一般的。しかし、この時期になると変性が広範囲で、光を感じる程度の視力しか残らなかった。

 東範行・同センター眼科医長らは血管増殖のごく初期に手術を行うことで、病変の拡大を阻止する手法を考案。前もって十分にレーザー光を当て、硝子体の中に網目状に広がり、血管の増殖する足場になるコラーゲンを除去する。血管は、やがて縮んでしまうという。

 同センターで、2004年12月から、重症14人の21の眼球に対し、この治療を実施。19の眼球は正常な網膜が維持され、17の眼球は良好な視力を持つことを示す視覚反応が出ている。

 東医長は「手術では水晶体も一緒に除去するが、眼鏡などで矯正できる。早期の手術を行えば視力が確保され、普通学校に行くことが可能だ」と話している。

 日本眼科学会と日本眼科医会では、それぞれの会誌の最新号に、東医長の同じ論文を掲載したほか、ホームページでも公開する。

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 成人に起きても、同様の治療(レーザーや硝子体手術)を行えば治りますが、大きな違いは新生児ということ。新生児は最初、全然視力がありません。30cmほど先がぼやけて見える程度です。成長するに従って、視覚情報を処理することができるようになるのです(完成するのは6歳ごろ)。

 しかし、もし新生児の段階で視覚情報が入ってこなくなるとどうなるか?そうなると、脳の回路が発達しないため、たとえ目は正常でも、脳で情報を処理することができなくなってしまいます。片方を目隠しし続けると、片方だけが弱視になるような感じです。

 早めに手術することのメリットは、このあたりにもありそうですね。

 子供のころからずっと失明している人に視力を与えようと、脳にカメラをつける実験が行われました。結果は、光を感じることはできたのですが、色や形などを認識することができませんでした。これは脳の情報処理分野が未発達なためだと思われます。おそらく、医学(科学)の限界でしょう。

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posted by さじ at 23:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 眼科
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