乳がん手術の後遺症を減らすことを目的に行われる検査「センチネルリンパ節生検」を導入している医療機関が、全国主要施設の78%と、一昨年の35%から急速に広がっていることが、読売新聞が実施した「病院の実力・乳がん」のアンケート調査でわかった。
この検査は、乳房に特殊な色素や放射性物質を注射し、がんが転移する時に最初にたどりつくリンパ節(センチネルリンパ節)数個を特定して、乳がんの手術中に摘出、病理医が転移の有無を調べる。がん細胞がなければ、残りのリンパ節は切除せず温存する。
従来は、事前に転移の有無を調べる方法がなく、リンパ節を広く切除していたが、リンパ液の流れが滞ると、腕がむくむリンパ浮腫が起こりやすい。検査により、不要なリンパ節切除による後遺症を減らすことができる。
調査は今年8月、国内の主要543施設に、昨年の診療内容を質問する形で実施(回収率79%)した。同様調査は一昨年から毎年行っている。
埼玉県立がんセンター病理科の黒住昌史部長は、「放射性物質を使えない場合や経験不足だと診断精度が下がるが、後遺症を減らすために有益な検査で、普及は患者さんにとって望ましい」と指摘する。
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記事中にありますように、今までは乳がんの手術といえば、腫瘍を切除するだけでなく、リンパ節もとっていました(リンパ節廓清)。ですがこれをやると、リンパ液の流れが悪くなるために、腕がパンパンに腫れたりしていたんですよね。
そこで。患者のQOL向上の意味も込めて開発されたのが、センチネルリンパ節生検です。勿論リンパ節をとったあとの診断が重要となってくるわけで、転移しているかどうかを見極めるのは「腕」が必要ですが、とりあえず技術は普及してきているようです。
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