医師国家試験に合格し、医籍登録されて3−6年目の若手医師が、都市部の6都府県に集中する傾向が、2年間の臨床研修が義務付けられた2004年度以降に加速していることが23日、厚生労働省のまとめで分かった。一方、臨床研修中の医籍登録1、2年目の医師では、傾向に大きな変化はなかった。臨床研修制度の見直しを検討している同省の「臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ(WG)」で明らかになった。
厚労省では、2年に一度、年末時点での医師数などを調べる「医師・歯科医師・薬剤師調査」を基に、医籍登録後1−6年目の医師の分布を分析した。
分析結果によると、1、2年目の医師のうち、都市部の6都府県(東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡)の病院・診療所で従事する割合は、臨床研修制度の導入前は1998年43.6%、2000年44.7%、02年45.4%で、緩やかな増加傾向だった。導入後の04年以降は46%台で推移しており、傾向に大きな変化はなかった=グラフ=。
一方、3、4年目の医師では、制度導入前は40%前後で推移していたが、導入後に都市部に集中する傾向が加速、10年には46.7%にまで増えた。5、6年目の医師も導入後に都市集中が加速。02年は41.3%だったが、04年に43.4%となり、10年には47.0%に上った。
この日のWGでは、臨床研修制度導入の影響について、研修医を受け入れている病院の関係者からヒアリングを行った。
この中で、石巻赤十字病院(宮城県)の金田巖副院長は、制度導入後に研修医の確保が難しくなったと説明。確保策は、▽研修内容の充実▽積極的な広報活動▽処遇改善―などが柱で、研修内容の充実では、2年次の8.5か月間のプログラムを自由選択にしたほか、浦添総合病院(沖縄県)での救急科研修、東北大病院(宮城県)での放射線治療科研修など院外研修を取り入れたという。
また、JA大分県厚生連鶴見病院の鈴木正義副院長は、制度導入後に大学病院の医師不足が深刻化したため、同病院で必要医師数を確保できなくなったと指摘した。
そりゃぁそうでしょう、地方で過ごすメリットがない限り、若手医師は都会に集中する、当然ですわ。
地域医療という形での研修を義務づけて、その研修をより魅力的なことにする必要があるんでしょうね。中には「最悪の地域医療だった」という研修医もおります。そういう病院、地域には絶対に医者は来ない。逆に、「地域医療最高だった」という研修医も多いです、そういう病院は研修医の研修とは何たるかを吟味して、より勉強になるよう力を注いでる病院なんだと思います。そういうところには最終的に人材も集まると思いますけどね。
あー、なるほど、確かにそっちでの減税という形のアプローチもありなんですね。
盲点でした。そしてすごくいい試みだと思います。