ユーモアにあふれ、科学への関心を高めた研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の06年の受賞者が5日発表され、平和賞には高周波雑音発生装置「モスキート」を発明した英国のハワード・ステイプルトンさんが選ばれた。
これは、若者しか聞き取れない高周波の雑音を発して、街にたむろする若者を追い払うための装置。だが、その技術が「教師に聞こえない携帯電話の着信音」として欧米で大ブレークし、米国では今年に入って「モスキート着信音」を使って教室で携帯電話をかける若者が増え、社会問題に発展しているほど。新たな若者文化をつくったことなどが評価された。
米ハーバード大サンダース講堂で米東部時間5日午後7時半(日本時間6日午前8時半)に始まった授賞式には、同大や、近くの米マサチューセッツ工科大などから本物のノーベル賞受賞者も多数参加。ステイプルトンさんは家庭の事情で欠席したが、会場では「高齢」のノーベル賞受賞者らにこの音が聞こえるかを調べる実験もあり、大いにわいた。
今年はこのほか、鳥類学賞に「キツツキはなぜ頭が痛くならないのか」(米カリフォルニア大デービス校など)、物理学賞に「乾燥スパゲティを曲げると、しばしば二つより多くの部分に折れてしまうのはなぜか」(仏ピエール・マリー・キュリー大)など、計10部門で賞が贈られた。
イグ・ノーベル賞は米ハーバード大系のユーモア科学誌が91年に創設。毎年10部門前後の「人々を笑わせ、考えさせてくれた研究」に贈られる。
日本からも、カラオケ発明者の井上大佑さんが04年平和賞、犬語翻訳機「バウリンガル」を開発した玩具メーカなどが02年平和賞を受けるなど、多くの受賞者が輩出していることで知られる。
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何で今頃モスキート着信音の記事にアクセスが多いんだろうと不思議に思っていましたが、コレでしたか。確かにノーベル賞をとれるほどの発明ではないにしろ、くだらなさ、面白さでは世界有数の発想でしたからね。
イグノーブル賞は、単なるギャグの祭典ではありません。日本人も数多く受賞していますが、3年前の授賞式では真面目に研究を発表していました(そしてその内用も科学的には優れているものだった)。医学的、科学的に凄いけどなんかこう、ある意味でバカバカしいことなのによくやったなぁって感じの研究ばかりです。
参考:イグノーベル賞受賞者の一覧
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