病状が安定したお年寄りが長期入院する療養病床を減らすために7月から新たな診療報酬が実施されたことに伴い、療養病床がある病院の7割が収入減となっていることが4日、日本病院会(2702病院加盟、山本修三会長)の調査で分かった。同会は「経営が成り立たない療養病床が閉鎖され、行き場を失うお年寄りが続出するおそれがある」としている。
調査は会員の1015の病院を対象に実施、216病院から回答があった。今年7月の病院収入を昨年同期と比べると、療養病床のうち医療保険から支払われる病床をもつ病院の68.5%で収入が減っており、約2割は20%以上の減収だった。
今回の診療報酬改定では、患者を医療の必要度で三つに区分し、病状が重い人の入院料を引き上げる一方、病状が軽い人の入院料は大幅に引き下げた。このため、病状の軽い人の割合が多い、療養病床を持つ病院が収入減となったとみられる。
療養病床には、医療保険から支払われる「医療型」と、介護保険から支払われる「介護型」があり、合わせて全国に約38万床ある。厚生労働省は医療費削減のため、12年度までにこれらの約6割を削減する方針で、リハビリを中心とした介護施設への転換を狙っている。
同会は「厚労省の基準で病状が軽いとされた入院患者でも、多くは持続的な治療が必要だ。療養病床の廃止によって医療の質が低下するのは確実だ」としている。
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汚いっすわぁ、厚生労働省。病気に個人差があるなんて当たり前なんだから、症状が軽いと規定されても入院しなきゃいけない状態の人は当然いるわけなのに、それを完全に無視している。いかに診療報酬改定が浅い議論によって行われたかが容易に想像つく結果となりました。
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