この論文は、米気管食道科学会の学会誌「Annals of Otology, Rhinology, and Laryngology」最新号に掲載された「グランツマン血小板無力症の患者への“塩漬け豚肉の切り身”を使用した圧迫止血法」。大ざっぱに言ってしまえば、鼻の穴にベーコンを突っ込んで鼻血を止める方法を説いた論文です。
グランツマン血小板無欠症は、通常なら血小板にある血液凝固作用が先天性の異常で機能しづらく、そのために出血時間が長くなり、止血も困難になる病気のこと。論文は米ミシガン州のデトロイト・メディカル・センターの研究者が行った臨床実験の結果をまとめたもので、この疾患を持つ4歳の患者が鼻血を出して入院した際の2度の事例を紹介しています。事例ではベーコンを鼻腔に詰め込んだところ、双方のケースで24時間以内に出血がストップ。患者も72時間で退院できたそうです。
米ニュースサイトのハフィントンポストや英紙ガーディアンなどによると、ベーコンを鼻に詰め込むというこのアイデア、実は米国では民間療法として、昔から行われていたとのこと。70年ほど前の医療論文でもその医療的な使用法が報告されていますが、近代医学の発展により、ベーコンによる鼻血治療は姿を消していきました。
なんで?なんでなん?凄すぎないですか。
そしてそれをやろうと思ったメディカルセンターに乾杯。
Glanzmann病は、常染色体劣性遺伝する、先天性の血小板の機能異常です。
何がどうおかしいのかは既に分かっていて、「血小板膜糖蛋白GPUb/Vaの欠損」によって、血小板の凝集反応がなくなる病気です。
症状としては、幼児期からの鼻出血、歯肉出血、皮下出血。検査することで分かります。
血小板の固まる能力がオカシイだけなので、血小板の数そのものには異常がないというのが特徴です。唯一の治療法は、血小板の輸血をして、正常に機能する血小板を与えてやることなんですけど、そこにベーコン登場。何で?ねぇ、何で?