米高齢者向け医療保険「メディケア」の加入者で、薬代がある日突然全額自己負担になる「ドーナツの穴」と呼ばれる状況に陥るケースが相次いでいる。25日付の米紙ワシントン・ポストが報じたもので、今年1月スタートの補助制度に薬の総額が一定額を超すと保険適用率がゼロになる枠が設定されているためだが、高齢者の混乱を招いているようだ。
米国は日本のような国民皆保険制度はなく、メディケアは65歳以上の高齢者を対象とした公的保険。従来適用外だった処方薬の補助は減税と並ぶブッシュ政権の経済対策として2003年の法改正で制度化され、今年1月にスタートした。
「ドーナツの穴」は、処方薬の総額が2550ドルに達すると加入者の負担率が25%から100%にアップし、5100ドルに達すると今度は5%に減るというものだ。2300万人のメディケア加入者のうち約300万人が年内に「穴」に落ちると予測されている。
乳がんを治療中の65歳の女性は5週類の治療薬3カ月分に58ドルを支払ってきたが、請求額が1294ドルにアップすることを今月知らされ、「どうしたらいいのか」とショックを受けた。
「穴」の存在はもともと指摘されてきたが、認知不足もあり、制度開始から9カ月が経過して、「加入者の頭痛の種になっている」(同紙)。地域の高齢者サービス事務所では「どうしたらはい出たらいいのか」という相談で電話が鳴りっぱなし。中間選挙を控え民主党も「穴は必要なかった」と政権批判の材料にし始めている。
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穴がなきゃ商売として成り立たんのでしょうね。
こういうニュースを見ると、いかに日本の医療制度が素晴らしいかわかりますね。国民保険制度。破綻しそうですが、世界に誇るシステムです。
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