転移によって増えたがん細胞を、クラゲの蛍光遺伝子を利用して発光させる技術を、岡山大学の藤原俊義助教授らのグループが開発した。これにより、転移先やその範囲を正確に把握することが可能となり、その結果、手術で切除する部分を減らすことで、患者の負担軽減につながるという。2日付の医学誌ネイチャー・メディシン(電子版)に発表した。
技術の根幹を担うのは、がん細胞の中で増殖するように工夫した風邪のウイルス。研究グループは、この中に、蛍光たんぱく質を作り出すクラゲの遺伝子を組み込んだ。がん組織に投与すると、がんが転移した場所でウイルスが増殖し、その部位が光って見えるという仕組みだ。
実際に、人間の大腸がんの細胞を移植したマウス7匹に、クラゲの蛍光遺伝子を組み込んだこのウイルスを投与して調べたところ、がん転移先の13か所のリンパ節のうち、12か所で蛍光が確認できた。
藤原助教授は「動物実験で安全性を確認、感度を高めた上で、臨床応用も考えていきたい」と話している。
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手術に便利そうです。まあこればかりに頼ってはいられないでしょうけれども。
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