厚生労働省は10日、大塚製薬の統合失調症治療薬エビリファイやサノフィ・アベンティスの抗凝固薬クレキサン、アステラス製薬の免疫抑制剤プログラフやグラセプター、糖尿病の治療に用いるα-グルコシダーゼ阻害薬などの添付文書の「使用上の注意」を改訂するよう関係企業に指示した。
エビリファイについては、「重大な副作用」の項に「肝機能障害」を追記するよう求めた。同省によると、直近3年間で肝機能障害の副作用が24例(このうち、因果関係の否定できない症例は13例)報告されている。
クレキサンでは「重大な副作用」の項に「肝機能障害、黄疸」の追記を指示。これについては、直近3年間で39例(同15例)の報告がある。
また、プログラフやグラセプターについては、「重大な副作用」の項に「無顆粒球症、溶血性貧血」「肝機能障害、黄疸」を追記するよう求めた。直近3年間で無顆粒球症が5例(同2例)、溶血性貧血が5例(同1例)、肝機能障害、黄疸が9例(同3例)報告されている。
さらに、α-グルコシダーゼ阻害薬については、アカルボース(先発品はバイエル薬品のグルコバイ)、ボグリボース(先発品は武田薬品工業のベイスン)、キッセイ薬品工業のグルベス配合、三和化学研究所のセイブルの「重大な副作用」の項の「腸閉塞様の症状」を、「腸閉塞」に変更するよう指示。直近3年間の副作用報告については、アカルボースが1例(同ゼロ)、ボグリボースが3例(同3例)、グルベス配合がゼロ、セイブルが6例(同3例)の報告がある。
このほか、同省が添付文書の改訂を指示したのは、▽第一三共の抗菌薬グレースビット▽大日本住友製薬の統合失調症治療薬セレネース▽アボットジャパンのHIV感染症治療薬カレトラ配合▽セルジーンの多発性骨髄腫治療薬レブラミド▽アンジェスMGのムコ多糖症VI型治療薬ナグラザイム▽ツムラのツムラ柴苓湯エキス顆粒など▽ツムラのツムラ大建中湯エキス顆粒など▽ジェーピーエス製薬のJPS漢方顆粒-30号▽抗菌薬クロラムフェニコール含有製剤―。
このように薬には多くの副作用がありますが、特に重要なのは「重大な副作用」でして、起こる可能性があること、を認識しておけばある程度副作用が起こったときに予測がたてられるのです。