肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)の副作用とみられる重い肺障害の発症率は、他の抗がん剤を使った患者に比べ約3倍に高まることが、イレッサを販売するアストラゼネカ社(本社・大阪市)が国内で実施した大規模な調査でわかった。
今回の調査は2003年11月から06年2月まで行われ、全国の肺がん患者4473人を登録。イレッサの代表的な副作用とされる、急性肺障害と間質性肺炎の発症率などを調べた。イレッサを使用し3か月以内に発症したのは4%で、他の抗がん剤を使用した場合は2・1%だった。
喫煙歴があるなど重い肺障害を発症しやすい人はイレッサの治療から外されることが多いため、こうした対象患者の違いを考慮に入れると、イレッサは他の抗がん剤に比べ、発症の危険性が3・2倍に高まることが判明した。イレッサは、投薬から1か月以内の発症率が高いこともわかった。
イレッサの副作用によるとみられる死亡は2%だったが、主に重い肺障害が原因で、他の抗がん剤でみられる造血系の副作用による死亡は、1例もなかった。専門家は「喫煙歴以外の患者の特性も見極め、適切な抗がん剤を選択することが望ましい」と分析している
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続報です。
医学処 肺がん治療薬「イレッサ」、副作用による死亡者が643人に
以前より、約5%近い使用者に間質性肺炎の合併症が指摘されていたイレッサです。イレッサの凄いところは、日本人の女性で非喫煙者、更に限局すれば肺癌の種類のうち最も多いといわれている「腺癌」にとてもよく効くという点です。記事中にもありますように、約5%が間質性肺炎になるという合併症が問題視されています。癌治るんだからいいじゃん?と思う方もおられるかもしれませんが、間質性肺炎のせいでイレッサ投薬患者のうち2%が死亡しているというデータを見ると、果たして使ったほうがいいのか使うべきではないのか悩みどころです。イレッサは分子標的薬という新しいジャンルの薬なので、他の抗がん剤と併用したらもっと生存率も伸びるんじゃないかと期待されていましたが、うまくいかずにガックリというのが現状でしょうか。