心筋梗塞のように血流が途絶えたラットの心臓の細胞が壊死する様子の画像撮影に京都大の赤尾昌治助手(循環器内科学)らが成功した。細胞の死は一斉ではなく、ばらばらで画像はまだら模様だった。不整脈のメカニズム解明や心筋保護薬開発などに役立てたいという。米医学誌「サーキュレーション」電子版に発表した。
赤尾さんらは、細胞を壊さず組織の奥深くまで届く赤外線領域のレーザー光をあてる特殊な顕微鏡を使い、心筋細胞のエネルギーを作り出している細胞内小器官のミトコンドリアを色素で光らせ、細胞がダメージを受ける様子を撮影した。
生きた心臓をラットから取り出し、血流を止めた場合、30分間の停止後に血流を再開した場合など条件を変えて1時間観察した。
その結果、血流を止めた心臓では一部の細胞が歯が欠けるように死に始めたが、死は隣接する細胞まで広がらなかった。まだら模様に細胞死を起こした心筋細胞間の連絡のばらつきが、心筋梗塞時の不整脈の原因となっている可能性を示すという。また、血流を再開した場合も血流停止時と同様の細胞死が急速に進み、心臓発作後などの血流再開が心筋にダメージを与えるとの指摘を裏付けた。
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ミクロなお話。こう、一点を中心に死んでいくわけではなく、まばらに死んでいくようです。
画像などは、ニュース元で。
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