「ネコひっかき病」はその名の通り、ネコにひっかかれたり、咬まれたり、あるいはネコのノミに咬まれた後に起きる病気です。
夏の間に発生・増殖したノミによってネコが感染し、それから人にうつりますので、これから12月にかけて増えてきます。日本の統計はありませんが、アメリカでは年間4万人がネコひっかき病にかかっていると推定されています。
ネコひっかき病の犯人は、主にバルトネラ菌という細菌です。この菌は、ノミの中におり、ネコ(まれに犬にも)に寄生した感染ノミの糞便が、ネコの歯や爪に付着、これに触れた人間に感染します。15歳以下の子どもが感染すること多いようです。ただし、感染源のネコの健康は問題はありません。
ひっかかれたり、咬まれたりした後、5日〜2週間ほどで発熱や虫刺されのような発疹、頭痛、倦怠感などの症状が現れ、脇の下や首、ひざのリンパ節部分が腫れてきます。重症の場合は、発熱が長引き、突然のけいれん発作や意識障害などを起こし、敗血症や脳症を併発することがあります。 抗菌剤の投与で治療できますので、疑わしい症状が出たら皮膚科などを受診しましょう。
ネコのバルトネラ菌の保菌率は5〜15%と言われていますが、ネコと遊んだ後は手洗い、消毒を欠かさないようにし、ノミの駆除もこまめにしましょう。
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久々の人獣共通感染症は、バルトネラ菌によるネコひっかき病。あまり有名じゃないので見逃しやすい病気ですが、上記のような症状がありましたら、病院へ。ネコひっかき病患者の99%が猫を飼い、そのうち79%が子猫のようです。リンパの腫れが軽ければ自然に治りますが、重症になっても困りますしね。
漫画「ナースあおい」で取り上げられていたのかな、そういえば。記憶が曖昧ですが。
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