2006年09月25日

Duchenne型筋ジストロフィーに対して着床前診断が行われる

4組夫婦に着床前診断 学会が承認、2組が出産

 慶応大病院の吉村泰典教授らのチームは21日、受精卵の遺伝子を調べて病気の有無を確認する着床前診断を4組の夫婦に行い、2組の夫婦の妊娠、出産に成功したと長野県軽井沢町で始まった日本受精着床学会で発表した。

 同大は2004年7月、日本産科婦人科学会から国内で初めて着床前診断の実施を承認された。学会の正規の手続きを踏んで着床前診断を実施、出産に至った事例が明らかになったのは国内で初めて

 着床前診断は、幼児期に発症、筋力が低下し、平均寿命も20〜25歳という重い遺伝病「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」について行われた。同大は04年1月以降、10組の夫婦について、着床前診断を同学会に申請、6組の夫婦について実施の承認を得ていた。

 同大はこのうち、4組の夫婦を対象に、体外受精でできた受精卵について計7回の着床前診断を実施。問題のない受精卵を妻の子宮に戻し、2組の夫婦が今年3月と6月にそれぞれ出産した。

 同大の末岡浩助教授は「4組の夫婦で計100個の卵子を採取したが、受精、着床前診断を行い、子宮に戻せた割合は20%以下に過ぎなかった。この病気で悩む夫婦に出産に至らせるために、遺伝カウンセリングを充実させ、(体外受精や着床前診断を受ける)機会を増やすことが重要だ」と話している。

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 デュシャンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne型筋ジストロフィー)は伴性劣性遺伝という珍しい遺伝方法を取ります。これは女性に遺伝しても「保因者」となり発症はしないのに、男性に遺伝すると発症する遺伝です。つまり男の子のみがかかる病気といってもいいでしょう。

 ジストロフィン遺伝子に異常がおき、2〜4歳で歩行開始の遅延、転倒しやすくなる、走るのが遅い、などでおかしいと思い受診することが多いようです。症状としては筋の萎縮や反射の低下などの筋肉異常が主で、30%に知的障害を認めます。

 Duchenne型筋ジストロフィーは、12歳までに自力歩行が不能となり、車椅子に乗ります。20歳頃に呼吸不全や心不全などにより、適切な処置をしなければ死亡します

 で、ですね。例えば夫は正常で、妻が「保因者」だったとしましょう。もしかしたらDuchenne型筋ジストロフィーの子供が出来るかもしれない。女の子ならまだしも、男の子だったら…。この家族にとって、出産において考えれば考えるほど、遺伝子異常というのは大きな壁だったと思います。もし医学が進歩していなければ、子のことを考えて産む決意もできなかったかもしれない。

 これも1つの遺伝子治療の形なんだと思います。着床前診断に否定的な人がいますけど、それは恐らく、産み分けによって、社会に存在する障害者が差別を受けることになることを危惧してのことなのでしょうが、それをこういった家族に「強制」するのは余りにも酷です。

 誰だって、赤ちゃんを産みたいと思うもの。


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posted by さじ at 22:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生殖
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