国の感染症情報センターによると、8月中旬まで減少を続けていたりんご病(伝染性紅斑)が、同月下旬から再び増え始めています。新学期入りで幼児・学童の感染の機会が増えますので、子どもの体調をよく見ておきましょう。また妊婦が感染すると、流産などの原因になりますので、注意が必要です。
りんご病はふつう、春から初夏にかけて流行しますが、感染症情報センターの定点調査網の観測では、りんご病患者の報告数は6月中・下旬をピークに下がりはじめたものの、8月21日頃から再び増えています。特に愛知や岐阜、宮城県などで多く見つかっています。
りんご病はヒトパルボウイルスB19というウイルス感染によって起こり、人の唾液から伝染します。幼児期から学童期にかかりやすく、発熱、筋肉痛、倦怠感などを訴えます。両側のほっぺのかゆみを伴う発疹が特徴的なことから、りんご病と呼ばれています。発疹は肩から腕、太ももにまで広がり、数日後には赤い斑点やまだら模様ができます。
1週間ほどで自然治癒しますが、陽を浴びたり運動などによって、発疹が再び出現することもあります。
ほほが赤くなったときは、すでに人に伝染させる時期は過ぎていますので学校・保育園を休ませる必要はありません。しかし、かゆみが強いときや高熱が出る、元気がなくなっているなどの場合は、小児科医を受診しましょう。
大人はめったにかかりませんが、病気などで体力が弱っている人に感染すると強い関節痛などを伴うことがあります。また妊娠している女性がかかると、赤血球が壊れやすくなり、胎児の貧血や子宮内発育遅滞、流産などの恐れがありますので、自分の子どもが感染している場合は産婦人科で相談しましょう。
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妊婦に感染すると胎児水腫の可能性などがありますが、B19感染が確認された新生児でも、妊娠分娩の経過は正常なことが多く、更に出生後の発育も正常であるようで。風疹感染によるものより安全だけど油断は大敵、というところでしょうか。妊婦のいる家族で誰かがりんご病を発症していた場合、注意が必要なので産婦人科へ。
1)食べ物:いつものとおりでかまいません.
2)入浴:かまいません.ただし熱い風呂に長く入ると赤みが強くなって長びくことがあるので,短時間できり上げましょう.
3)運動:運動で体が熱くなったり日光に長くあたると,長湯と同じように赤みが長びきます.
引用:りんご病(伝染性紅斑)
関連:医学処 プール熱、手足口病、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎などの夏の感染症