耳が突然聞こえなくなる「突発性難聴」に対して、京都大の伊藤壽一教授(耳鼻咽喉科)と田畑泰彦教授(生体材料学)らのグループが、薬を特殊なゼラチンに混ぜ、鼓膜の奥にある内耳にくっつける新しい治療法を開発、動物実験で効果を確かめた。内耳は手術が難しく、服薬や点滴では薬がほとんど届かないが、新治療法ではゼラチンから薬が少しずつ溶け出す。同大学の医の倫理委員会に臨床研究の申請中で、承認され次第、人での有効性を確かめる。
突発性難聴は毎年3万5000人が受診しているとされ、多くは、何らかの原因で音を電気信号に変えて脳に伝える内耳の神経機能が低下していると考えられる。ステロイドを大量点滴する治療法があるが、ステロイドが使えなかったり、効かなかったりすることも多い。これまで内耳の神経細胞を活性化させる薬が見つかっても、患部に届ける方法がなく、有効な治療法は確立していない。
そこでグループでは、田畑教授らが開発した体の中で少しずつ溶けて薬を放出する特殊なゼラチンを利用。ゼラチンに、神経細胞の成長を促す働きのあるメカセルミンという薬を混ぜ、小さな塊を人工的に難聴を起こしたラットとモルモットの内耳の膜にくっつけた。
すると2週間後には大部分のラットとモルモットで、聴力が正常に近い状態に戻り、内耳の神経細胞が働きを取り戻していた。
ゼラチンをくっつけるのは中耳と内耳の境にある膜で、鼓膜に小さな穴を開けて通す。伊藤教授は「内視鏡を使えば安全に治療が可能」と話している。
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ふーむ、凄いですな。神経細胞の成長が促進する薬が出来てもそれを実用化する術が無かった。それを、ゼラチンで。動物実験では成果を挙げているようです。原因不明の難病でしたが、新たな光が見えてきたかも。
実際に人に効果があるのか、また、発症してからどのくらいの人にまで効くのかが今後のポイントになりそうです。
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4歳の娘が感音難聴と診断され、進行する可能性があるようなので、この治療法に大きな期待を寄せているのですが…。
臨床研究の申請中とのことですが、承認される条件とはどのようなものなのでしょうか?2006年内にも臨床が始まるとの情報もあったようですが、遅れるにはそれなりの理由があるのでしょうね。
もっとも、娘の難聴はは原因が不明なので効果があるかどうかわかりませんし、そもそも人に効果があるかすら未確定な治療法に過剰に期待するのは現実逃避かもしれませんね…。
やはり安全性が優先されるのですね。
願わくば、娘が成人するまでには何らかの治療法が確立しますように。