世界保健機関(WHO)は15日、ワシントンで記者会見を開き、「マラリア制圧のため、DDTの屋内噴霧を進めるべきだ」と発表した。
DDTは、生態系に深刻な悪影響を及ぼすとして1980年代に各国で使用が禁止された殺虫剤だが、WHOは「適切に使用すれば人間にも野生動物にも有害でないことが明らかになっている」と強調、DDTの“復権”に力を入れる方針を示した。
マラリアの病原体は、熱帯の蚊によって媒介される。DDTの散布によって激減に成功した国もあったが、その使用禁止とともに再び増加。最近は世界で毎年、5億人以上がマラリアに感染し、100万人以上が死亡しているという。
WHOマラリア対策本部長の古知新(こちあらた)博士は「科学的データに基づいた対策が必要。安全な屋内噴霧剤としてWHOが認めた薬剤の中で、最も効果的なのがDDTだ」と説明した。WHOによると、10か国でDDTの屋内残留噴霧が行われている。
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環境破壊バッシング全盛期の20世紀後半、レイチェル・カーソンの「沈黙の春」という本で取り上げられて世界的に非難を浴びることになったDDT。日本では戦後、シラミを殺すために頭に粉のようなものをかけている映像が一番有名でしょうか、アレがDDTです。
何でも、最近の研究ではDDTによる人間への発癌性はあまりないことが分かってきたとか。そもそもDDTの発見でノーベル医学生理学賞を受賞したミュラー氏も、「安価で人体に影響のない殺虫剤」ということがわかったからこそ世に送り出したんですよね。実際のところはどうなのか定かではないし、その研究も情報操作の一環なのかもしれません。ただ、世界中が、環境ホルモンやら発癌性やらを過度に恐れていて、現実を直視していない傾向にあるのは問題だ。
注目すべきは、現時点で年間100万人以上がマラリアで死んでいるということです。DDT全盛期にはマラリア死亡者数は激減したそうです。しかしバッシングゆえにDDTが全面禁止となり、マラリアによる志望者数は元に戻ってしまいました。
仮に今の段階の研究でDDTの発癌性はさほどないと分かったら、使うべきではないでしょうか。それはもちろん研究を行っている人やWHOの良心の問題でもありますが。過度に叩けば良いというわけではありませんしね。全面禁止ではなく、人体に影響がないであろう程度で用いるという「妥協案」も必要です。
日本には古来から「毒をもって毒を制す」ということわざがあります。その通りにしたらいいじゃないですか。発展途上国側からしてみれば、何で先進国の人たちが俺らの命を握る議論をしてるんだろうって思いやしませんかね。副作用はあるけど根治できる薬があるのに。さっさとDDTでマラリア退治してくれよ。じゃないと家族が死んじゃうよ。
今失われつつある命をないがしろにする権利なんて、誰にもありません。