学習は午後よりも午前中の方がやや効果的−。北海道大の伊藤悦朗客員研究員(機能生物学)らが貝を使って学習の実験をした結果、記憶形成を妨げるタンパク質は午後よりも午前中の方が少ないことが分かった。
伊藤研究員は「このタンパク質は人間にもある。午前中の学習は記憶形成を妨げるタンパク質を減らすのに効果が期待できる」と話している。
実験では脳の神経細胞数が人間に比べ数十万分の1と単純で解析しやすいヨーロッパモノアラガイを使用。記憶形成にかかわることが知られるタンパク質が学習でどのように変化するかを調べた。
実験は午前と午後に分け、それぞれ約80匹の貝を使用した。好物の砂糖水と苦手な塩化カリウムを15秒間隔で交互に10回繰り返し与えた後に砂糖水を与えた。その結果、午前中に実験した貝のすべてが次に塩化カリウムが与えられることを学習して何も口にしなくなった。午後に実験した貝で口に入れなくなったのは7、8割だった。
実験後に脳を解剖してタンパク質の遺伝子を調べた結果、記憶を形成する「CREB1」の働きを邪魔する「CREB2」が午前中に実験した貝では数百個から半減していたが、学習しなかった貝では数百個がそのまま存在していた。CREB1は双方とも数個のままで変化はなかった。
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やはり。朝型勉強法は記憶の定着効率が良いらしいですね。かといって徹夜しても意味はないですが。睡眠を取ることと、起きて数時間以内に勉強するという「姿勢」がないと難しいですね。そうすることのできる人だけが偏差値の高い大学に入るのもまた事実ですが。
記憶を妨げる遺伝子については下記記事を参照して下さい。
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