2006年09月17日

小児脳腫瘍に自分の幹細胞を注入すると劇的に改善した

自己幹細胞で小児脳腫瘍の治療結果が改善

 「髄芽腫」という主に小児の小脳に発生する悪性腫瘍の治療に、患児自身の幹細胞を用いることで生存率が向上したという報告が、英医学誌「Lancet Oncology」9月7日オンライン版に掲載された。高リスクの髄芽腫患児への化学療法の期間は通常約12カ月、5年生存率は30〜40%だが、今回の研究を率いた米St. Jude小児研究病院(テネシー州)のAmar Gajjar博士によると、これより短期間の治療で高リスク患者の70%、標準リスク患者の80%以上の治癒が可能だという。

 この新しい治療法は、疾患の重症度に合わせた放射線治療を実施し、その後、従来よりも短期間の化学療法を行うというもの。化学療法が1ラウンド終了するごとに、治療開始前に採取しておいた幹細胞を植え込み、治療による損傷からの体の回復を促すことにより、治療期間の短縮を図った。Gajjar氏らは、髄芽腫の患児134人について、手術後に残った腫瘍が小さく、他の部位への転移がみられない患児を「標準リスク」群、残った腫瘍が大きい患児または転移のある患児を「高リスク」群と分類。高リスク群には標準リスク群よりも高線量の放射線治療を行った後、両群ともに従来よりも短期間の化学療法を実施し、1ラウンドごとに骨髄幹細胞を再注入した。

 このリスクに応じた放射線治療により、小児患者の生存率を上げることができたという。また、抗癌薬であるシスプラチンの投与を8回から4回、ビンクリスチン投与を32回から8回に減らすことにより、生存率を下げずに神経毒症状を大きく回避することができた。この治療法をさらに精密なものにするためには、臨床的な病期分類に加えて、生物学的な病期分類システムを開発する必要があるが、それまでの間にも高リスク患者にはこの治療法を採用すべきだとGajjar博士は述べている。

しかし、米アトランタ小児ヘルスケアのAnna J. Janss博士は、今回の結果は過去に報告されている治療法での生存率とさして変わらないと反論。彼女自身は小児患者から幹細胞を採取しようという気にはならないと述べている。また、髄芽腫の治療は小児の脳機能、学習能力、記憶、ホルモン機能などに非常に大きな影響を及ぼすが、今回の研究では治療の長期的な影響について触れられていない点も指摘している。

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 数値だけ見ると劇的に改善してます。やってみる価値のある治療なんでしょうか。データ不足でなんともいえませんが。シスプラチンは、白金製剤なんて呼ばれてまして、生存率は上がるんですが副作用として腎毒性などが生じてしまいます。

 小児だからこそ、幹細胞でうまく治癒できたのかもしれません。子供の可能性は未知でありながらも、驚異的な回復力をもっていることは確かですからね。

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posted by さじ at 06:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児
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