マーシュハリアーとも呼ばれるタカ科の鳥、ヨーロッパチュウヒ(学名:Circus aeruginosus)のオスの大半は羽の色がグレーだ。一方、メスは全身茶色で頭と肩だけが白い。ところがオスのうち3分の1強は、メスとそっくりの配色をしている。
この「女装」の意味を見出そうとした生物学者たちは、フランス中西部の湿地帯マレ・ド・ブルアージュ(Marais de Brouage)でヨーロッパチュウヒの生態を観察した。
スペインの研究所Instituto de Investigacion en Recursos Cinegeticosの研究チームは繁殖期のつがい36組について、オスの配色、メスの配色、「メスのようなオス」の配色に塗ったデコイ(模型)3種類のうちどれか1種類を、各つがいの巣の近くに置いた。
すると、典型的なオスの配色の羽をもったオスが、巣を守ろうとして同じオスの配色のデコイを攻撃する率は、他の2種類のデコイに比べて3倍高かった。
さらにもっと衝撃的だったのは、メスの配色をしたオスの行動だった。メスの配色をしたオスたちは、過剰なまでにメスの役割を「演じて」いた。彼らは「嫉妬」から、オスのデコイよりも、メスのデコイを攻撃するほうが2倍以上、多かった。
研究者たちは、徹底的にメスを模倣することで、メスに見えるオスのほうが、他のオスとの競争の中で優位に立てるのではないかと考えている。メスのような外見で攻撃性を控えて行動すれば、競争相手の他のオスから攻撃されにくく、メスに近づいて恋をするチャンスが増えるというわけだ。またライバルと争うことなく、食物が豊富にある生息地に進入していくチャンスもできる。
へぇ。人間だとどうなんでしょうね。
いわゆる草食系も、中性的なところありますけどね。そういう人のほうが、男から警戒されずにアプローチできるというのは、まぁ、あるかもしれません。濃い顔は損、ということで、個人的に涙目なニュースでした。