日本医師会(日医)は12日、先発品と成分が同じで割安な後発医薬品(ジェネリック)に関する緊急調査の結果を発表した。
後発品を使用したが効果がないので先発品に戻した事例などが報告されており、日医はこの結果を踏まえ、来月初めにも品質や薬効をめぐる問題点を厚生労働省に伝える方針だ。
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実際どうなんでしょうね?逆に後発品のほうが効いたなんて話もありますので、おそらくプラセボ的な効果も多いのでは?
しかしジェネリックに問題点が多いのも事実。安いといってもそれは生物学的同等性試験のような小規模の臨床試験をしているだけだからであって、同じ成分の薬といえども以前と「同じ薬」という保障は全くありません。例えばジェネリックと先発薬の成分が全く同じだったとしても、その薬を覆うコーティングが異なるだけで、体内での吸収は大幅に異なります。
「安いからジェネリックを選ぶ。それに反対する医者は自分が儲けたいからだ」などと意味の分からない妄言をならべられても、使いたくない医師は大勢いると思います。この問題の根底にあるのは、医療費を削減したいがために安いジェネリックを普及させようとしてる厚生労働省だと思いますが。急発進させすぎてて「信用」を勝ち取るということを蔑ろにしている印象です。
詳しい「問題点」は下記リンクを参照して下さい。非常によくまとまってますので、一読すればジェネリックの欠点がみえてくると思います。
参考:内科開業医のお勉強日記
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ジェネリック医薬品は、それ自体に問題点があるわけじゃなく、使い方です。
例えば高血圧を指摘され、初診時からジェネリック薬でコントロールされた患者にとっては、ジェネリック薬が最適な薬と言う事になり、ブランド品への変更では、問題が生じます事もありえます。
また、『ジェネリック薬の方が効く』というのは、DDS(コントロールドリリース)製剤ではありえる事です。徐放のはずが徐放にならなければ、血中濃度の立ち上がりは早く大きくなる訳ですから。コレ、普通、患者は『効く』って表現しますよね。(作用時間は短くなり、本来の用法では使えない。)
ジェネリック医薬品にまつわる諸問題は、現在ブランド品でコントロールされている患者の薬を『変更しろ』という厚生労働省のまったくシロウトとしか思えない頓珍漢な政策の不手際とジェネリック薬がブランドと同等と定義した事に尽きます。また、それに便乗したジェネリックメーカーの浅ましさでしょう。
そもそも、薬物輸送担体や薬物代謝酵素など、薬効に影響を与える SNPs がある為に、同じブランド薬を使っても薬効に個人差があるのが当然の状況の中で、ジェネリック〜ブランド間の“効き方”の違いなんて、投与する前から問題にする事自体がナンセンスです。
つまり、やってみればいいのです。そうすれば結果が良い(安くなって同等の臨床効果の)人も悪い(安くなったら悪くなった)人も出てくると思います。
あくまでも患者個人個人の問題で、古典的な平均値で全体としての功罪を論じる問題ではないのです。
最終的には、各人ごとの妥協案を選択するようになるのでしょうけどね。こういう改革期にはまずおおまかな全体像から入るもので。