うまみ成分として知られるグルタミン酸に、骨を分解する「破骨細胞」の働きを抑える効果があることが、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森山芳則教授(生化学)らの研究で分かった。骨密度が低下する骨粗しょう症の予防・治療につながる成果で、7日に欧州分子生物学機構の学術誌「エンボ・ジャーナル」電子版で発表した。
体内では骨を造る造骨細胞と、破骨細胞がバランスよく機能し、新陳代謝しながら骨を維持している。
森山教授らは、破骨細胞にグルタミン酸が含まれていることを突き止めた。さらにマウスを使った実験で、破骨細胞がグルタミン酸を外に放出できないようにしたところ、破骨細胞は骨を分解し続け、4カ月後にマウスの骨密度が通常の約5分の1になり、骨粗しょう症となった。この結果、放出されたグルタミン酸が、外から破骨細胞に作用し、骨を分解し過ぎないよう歯止めをかけていることが判明した。
骨粗しょう症患者は全国に約1000万人と推計されており、森山教授は「応用研究はこれからだが、骨粗しょう症の治療薬開発につなげたい」と話している。
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おーおー。見事なまでのフィードバック作用。自分の出した物質が、自分自身を抑制するとは。凄いですねぇ、生命って。
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