2011年11月07日

家族性アミロイドポリニューロパチーの新薬タファミディスの臨床試験開始

大病院が難病FAPの新薬、臨床試験へ 来月から

 松本市の信大病院は、特殊なタンパク質のアミロイドが内臓などに沈着して起きる難病「家族性アミロイド・ポリニューロパシー(FAP)」を治療する新薬「タファミディス」の臨床試験を、11月から始める。既に臨床試験が終了している欧米では年内にも認可される見込み。今回の臨床結果で問題がなく国内でも認可されれば、肝臓移植以外に有効な治療法がないFAP患者にとって朗報になりそうだ。

 担当するのは、信大病院遺伝子診療部の関島良樹准教授(45)と脳神経内科、リウマチ・膠原病内科の森田洋准教授(49)。新薬は製薬会社ファイザー社のもので、1年半にわたり同社と共同で試験する。患者5人に服用してもらい、有効性や安全性を調べる。信大と並んでFAP患者が多い熊本大病院(熊本市)でも同じ試験をする。

 アミロイドの元になるのは主に肝臓で作られるタンパク質トランスサイレチン(TTR)。通常はこれが四つ結合した状態で存在しているが、バラバラになってタンパク質の構造が少し変わると、繊維状に結合してアミロイドになる。関島准教授らはこの仕組みを解明するとともに、従来、炎症や痛みを抑える鎮痛剤として使われてきた薬「ジフルニサル」が、TTRの構造を安定化させ、アミロイド形成を防ぐことを発見した。ただ、ジフルニサルは腎臓の悪い人に負担が大きいため、そうした点を改良し、患者への負担を軽減した薬がタファミディスだ

 関島准教授によると、スウェーデン、ポルトガルなど欧米7カ国で2007〜09年、FAP患者約30人で臨床試験が行われ、手足の筋力低下や感覚障害といった症状の進行を抑えることを確認。こうした海外の結果を受けて今回、信大などで試験。日本でも副作用がなければ13年にも認可される見込みという。

 アミロイドが沈着して起きる病気は、手足の震えや筋肉のこわばりなどの症状が出るパーキンソン病、全身の臓器や組織に沈着して心臓や腎臓に機能障害が出る全身性アミロイドーシスなど多い。タファミディスは、これらの治療にも使える可能性がある。

 一方でジフルニサルの臨床試験も信大病院を含む日本、米国、イタリアなど5カ国で06年から進行中。FAP患者への投薬の選択肢を用意しておくためで、関島准教授は「FAPのように治療法がない難治性の疾患で苦しんでいる患者は多い。今回の試験をそうした疾患の治療の突破口にしたい」と話している。



 他の国で既に確認されている新薬ならば、比較的使いやすいですね(本来なら日本も同時並行で臨床試験を行うべきなんでしょうけれども)

 FAPは完全な治療がみつかっておらず、要するにアミロイドが全身に沈着してしまう病気ですが、症状が治まれば患者さんも楽でしょうし、予後も飛躍的に良くなると思われます。こういう新薬は早く承認されるといいんですけどねぇ。ただ薬で有害事象が出ると、それだけで命に関わる事があるので、慎重にいかねばならないというのが、医療者としてはつらいところです。


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posted by さじ at 01:11 | Comment(1) | TrackBack(0) | 消化
この記事へのコメント
すでに、沈着してしまったアミロイドを体外へ排出し、機能を正常に戻し、筋力も元にもどるような、つまり、根治薬も早く開発され、薬として生まれてくる事を希望します。
Posted by at 2012年03月22日 23:42
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