症状が似ていて誤診率も高い神経難病の「多発性硬化症(MS)」と「視神経脊髄炎(NMO)」を、脳脊髄液の分析によって正確に区別する方法を、京都大の近藤誉之臨床教授と京都府立医大の池川雅哉准教授らが開発した。
二つの病気の確定診断に使える成果で、米医学誌に発表した。
MSとNMOは、脊髄などの神経に炎症が起きて手足が動きにくくなったり、目が見えにくくなったりする病気で、MSは国内で1万人、NMOは3000人の患者がいるとされる。MSは症状で病名を確定。NMOは血液中の特定のたんぱく質による診断も可能だが、患者の3割はこのたんぱく質を持っておらず、確定診断が難しい。国内外の統計では、二つの病気の誤診率は30%前後と高く、NMOの患者にMSの治療薬であるインターフェロンβを投与すると、症状が悪化する場合もあるという。
神経内科領域の疾患は、記事にもありますように、症状がまず重要な鑑別ポイントになります。で、これっぽいなーと疑ってから、各種検査(脊髄液を調べる、MRIをとるなど)を行います。
多発性硬化症はメジャーな疾患ですし非常に特徴的なのでこれで分かるんですけれども、視神経脊髄症はレアなのでなかなか。そこで新しい鑑別法をということですね。期待したいところ。
神経内科領域だけでなくても、疾患の診断がついていないことなんてザラです。これっぽいなーと疑っても、特徴的な所見が得られなかったりすると、「確定」することはできませんからね。手探りです、未だに。