長野県立こども病院(同県安曇野市)は4日、1100グラムの新生男児の心臓手術に成功したと発表した。人工心肺を用いた心臓手術では国内で最も小さい新生児の成功例になるという。
同病院によると、男児は5月19日に生まれたが、肺静脈が心臓の左心房につながっていないため酸素の少ない血液が体内に流れてしまう「総肺静脈還流異常症」と診断された。手術は生後6日目に実施。人工心肺装置を使って約40分間心臓を止め、5時間かけて血管をつないだ。男児は順調に回復し、すでに退院している。
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おおーこれは凄い。おめでとうございます。普通の血行は「大静脈から右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室→大動脈から全身へ」という流れなのですが、総肺静脈還流異常症は肺で綺麗になった血が左心房へいかず、また右心房へ繋がっているんです。
でもそうすると「右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→右心房」となってぐるぐる回るだけだから死んじゃうじゃないか、とおっしゃられる方もおられると思います。ごもっともです。ここが人の凄いところというか、生存のための工夫なのですが、総肺静脈還流異常症では、心房中隔欠損も合併しているんですよね。要するに右心房と左心房の間の壁に隙間があいていて、右心房から左心房へ酸素化された血液が流れるようになっているんです。これで一応の生存はできるけれども、やはりうまく機能しないことで様々な病態が起こってきます。
長野こども病院といえば、田中知事が小児高度専門医療をやめるといったところですよね。それなのにこの快挙。おめでとうございます。小児高度専門医療については下記リンク参照。
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