2006年09月04日

半永久的に顔のシワを取る注射「ArteFill」

恒久的効果もつしわ取り剤に賛否両論

 たった1回の注射で、顔のしわを永久に消すことができるかもしれないという。7月末にサンディエゴで開催された米国皮膚科学会(AAD)の年次集会で、米食品医薬品局(FDA)の承認待ち段階の新しい注入剤「ArteFill」が取り上げられて以来、専門家の間では賛否両論が巻き起こっている。

 ヒアルロン酸やコラーゲンなどのいわゆる「軟組織注入剤」を用いたしわ取り治療は、手間と費用がかかる上、長くても半年から1年で効果が失われるが、このArteFillは違うという。製造元である米Artes Medical社(カリフォルニア州)によると、ArteFillはウシのコラーゲンを含んだゲルに、ポリメチルメタクリレート(PMMA)の微小粒子を麻酔作用のある0.3%リドカインとともに内包したもの。

 PMMA は、生体への人工物の移植で最もよく用いられている材料である。PMMAはほかの製品と異なり、注入剤を分解する人体内の酵素に強いため、長期間吸収されることなく残ると同社は説明している。Artes社はFDAに対し、鼻唇溝(いわゆる「ほうれい線」)の改善についてのみ承認を申請している。

 ADDに出席した医師らのArteFillに関する見解は、ぜひ使用したいという意見と、リスクを考え手は出さないという意見に二分されている。米国形成外科学会(ASPS)によると、医師の多くはArteFillがヒアルロン酸やコラーゲンに取って代わるとは考えていないが、昨年(2005年)米国では150万人が軟組織注入処置を受けており、このうちいくらかは、永続性を求めてArteFillに切り替えることも考えられる。

 Atres社のウェブサイトによると、FDAによる承認見込みの元となった臨床試験は2001年に終了しており、今年(2006年)5年目の結果が出る予定だという。ウシ・コラーゲンを使用しているため、施術前にはアレルギー検査が必要。費用は、ヒアルロン酸注入1回または1ccにかかる500〜600ドル(約6万〜7万円)より5割ほど高くなる見込みだという。

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 ふむ…。確かにいままでの「物質注入系」の美容形成では、三ヶ月、半年、一年単位で体内に吸収されてしまっていました(まぁ吸収されほど人体に悪影響を及ぼさないモノでできている『安心』というのもあるかもしれませんが)

 ArteFillは、人工物というより、酵素に打ち勝ち存在し続ける能力があるというところがポイントでしょうか。ArteFillにはその人の本来持つコラーゲン合成を促進させる効果もあるようです。まさに一生モノ。一回の施術で、永く美しく。

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posted by さじ at 21:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 皮膚
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