政府は2日、病院の医師が災害・事故現場に駆けつけるための一般車を「ドクターカー」として、道路交通法上の「緊急車両」に指定する方向で検討に入った。現場に医師を迅速に派遣し、救命率を上げる狙いがある。
警察庁が今後、厚生労働省などと指定条件を詰め、2007年度にも道路交通法施行令を改正する。
道交法に基づく緊急車両は信号などで停止せず、車線をはみ出して走行できる。医療関係では、救急車のほか、輸血用血液製剤や移植用臓器の輸送車などが施行令で指定されている。
医師が現場に向かう一般車は指定外で、交通規制に従うか、緊急の場合はパトカーの先導や救急車への同乗が必要となる。このため、政府は、医師の車に赤色灯をつけ、サイレンを鳴らすことなどを条件に、緊急車両に指定することにした。ただ、実績のある救急医療機関に所属する車などに限定する方向だ。
医療機関には、現在も「ドクターカー」と呼ばれる高規格の救急車があり、緊急車両に指定されている。人工呼吸器や心電図電送装置などを搭載し、医師が救急救命士や看護師とともに現場に向かう車だ。ただ、1台平均1600万円前後と高額で、全国に約100台しか配備されていない。
新たなドクターカーは、赤色灯などの装備が必要なだけで、1台平均200万〜300万円のため、配備数の増加が期待される。
昨年12月の山形県庄内町でのJR羽越線特急脱線事故では、消防本部の救急車が、現場から負傷者を病院に運んだ後、折り返しの際に医師1人が同乗。医師の現場到着まで発生から2時間以上を要した。
今回の構想は、横浜市の病院が今年6月、政府の構造改革特区として提案したのがきっかけ。関係省庁が検討した結果、特区だけでなく、全国規模で規制緩和することになった。
日本救急医学会の山本保博代表理事の話
「現在のドクターカーは、動く集中治療室(ICU)のような大型車で、狭い路地に入れず、スピードも出ない。出動は、多数の負傷者が出る特殊な事例が多い。小型の乗用車なら迅速性が増す。一般的な事例でも病院の判断で出動しやすくなるだろう」
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ドクターカー、日本に少しずつ普及してきたようですが、その大型車っぷり、高額っぷりから購入できるところも限られています。
今回はドクターカーというよりドクターズカーとでもいいますか、医者が乗っている車を緊急車両にしてしまおうということで。まあ医者という職業上それを悪用する人はほとんどいないと思います。そこまで堕ちてはいないと信じたいですね。うまく利用できればこれほど利便性の高いドクターカーもないでしょう。救命救急率が高くなることを願って。