島根県立中央病院(出雲市)は30日、乳がん患者25人の治療法を見極めるための検査で、本来しなければならない項目を別の項目と取り違えて実施するミスがあったと発表した。そのため25人中4人は有効なホルモン療法を受けられなかった。その後死亡した1人について、同病院は「延命を図れた可能性は否定できない」としている。
同病院によると、乳腺の組織の検査を臨床検査大手の三菱化学ビーシーエル(東京都板橋区)に委託して実施している。ホルモン療法が有効かどうかを判断するため、医師は電子カルテの検査項目に「エストロゲンレセプター」「プロゲステロンレセプター」と入力した。院内に常駐する社員3人が、電子カルテの画面などを見ながら別の用紙に転記する際、それぞれ「エストラジオール」「プロゲステロン」と似た表記の別の項目名を記入。これを基に、同社の子会社の担当者が検査した。
3人は正しい項目名と転記した項目名を同じと勘違いし、03年3月から9月まで誤記を続けていた。この間、30〜90歳代の25人が間違った検査を受けた。その後もホルモン療法を受けられなかった4人のうち、乳がんがかなり進行していた70歳代の女性は検査を受けた半年後の03年9月に亡くなったという。
会見した中川正久院長は「病院としておわびしたい。関係する患者さんや家族には十分に説明したい」と話した。同社の佐川直敏社長は「おわびのしようがない。今後記入方法などを見直したい」と話した。
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あー怖いですねこういうの。委託の検査か。いづれ資格が必要になってくるんでしょうが…。薬品や物質名など間違えやすいモノは2重3重の確認を。
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