日本赤十字社は、細菌汚染による事故を防ぐため、献血時の採血し始めの血液を輸血に使用しないことを決めた。血液を部分除去できる新しい採血方法の導入を今秋開始し、来年度中に全面的に切り替える。
献血では、採血用の針を刺した時に切れた皮膚が血液に混じり、細菌に汚染される可能性がある。皮膚を消毒しても、毛穴などに潜んだ細菌を完全に殺すことは難しく、2000〜02年の集計では、献血血液から作った赤血球製剤の0・04%から細菌が検出された。
特に問題なのは、20〜24度で保存される「血小板製剤」で、まれに混入した細菌が増殖することがある。米国では98年から3年間の調査で、血小板製剤の輸血で29例の汚染事故が起き、6人が死亡した。日本で今年5月に死亡した男性も、細菌が混入した血小板製剤の輸血を受けていた。
日赤は、採血に使うチューブを改良。最初に流れてくる血液(初流血)25ミリ・リットルを除去する。除去した血液は、捨てずに血液型や感染症の検査に利用する。
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採血時に混入する菌といっても表皮ブドウ球菌のような常在細菌ですから、健康な人には問題ありません。ですが輸血をする人ってのは健康な人ではありませんからね。免疫機能が低下してる人もいるわけです。そういう人たちにとっては危険なので、今回のような改善がされました。除去した血液も利用するみたいなので、一石二鳥でしょう。
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