国立療養所(現・国立病院機構)「宇多野病院」(京都市右京区)で、脳の血管内手術を受けた長男が死亡したのは医師の過失だとして、北区の両親が同機構に約1億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、京都地裁であり、山下寛裁判長は手術ミスを認定し、同機構に約7800万円の支払いを命じた。
判決によると、高校2年だった長男=当時(16)=は2003年8月、クラブ活動中に頭痛を訴え、宇多野病院で硬膜下血腫などと診断された。同9月にカテーテルを使った脳手術中に脳内出血し、同10月に死亡した。
山下裁判長は、出血部位について、手術が予定されていた動脈とは別の場所だった、とした上で「カテーテルを用いた手術では出血の危険性があり、必要のない部位に挿入することは避けるべきだった」と、医師の過失を認定。ミスと死亡との因果関係を認め、逸失利益約4500万円を含む総額約7800万円の支払いを命じた。
判決を受けて両親は「病院には、命の大切さをあらためて考えてほしい」と話した。宇多野病院管理課は「判決文を見ていないのでコメントできない」としている。
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まあミスなんでしょうけれど、両親のコメントが妙にひっかかります。
「病院には、命の大切さをあらためて考えてほしい」。息子を失った悲しみなどがそう言わせるんでしょうが、果たして病院は命を大切だと思っていないのか。事件の背景が分からないので断定はできませんが、この医師が不真面目に手術をやった結果死亡に繋がったのかというとそういうものではないと思います。別の場所にカテーテルを入れてしまったのは医師個人の「ミス」であり、病院の過ちではありません(もちろん社会的な責任の置き場という意味では病院の過ちになるのでしょうが)。そして当の医師本人も、命を軽はずみに扱っているわけではないと思います。
そして病院側のコメントも毎回ひっかかるんですが。「判決文を見ていないのでコメントできない」って何なんでしょうね。色んなところで見ますけれど。判決は受けたけど判決内容の詳細を書いた文章をもっていないからコメントできませんよってことなんでしょうか。