海水浴中におぼれ心肺停止状態になった男性が、医師が同乗したヘリコプター「ドクターヘリ」の出動により一命を取り留め、二十九日に収容先の病院を退院した。同ヘリの搬送による心肺停止からの生還は、昨年四月に道内のドクターヘリが本格運航を始めて以来、初めて。
助かったのは札幌市南区の山田義寛さん(62)。今月十日午前、石狩市厚田区望来の海水浴場で家族と遊泳中におぼれた。浮いている山田さんを家族らが発見し、連絡を受けた消防がドクターヘリを要請。通報から二十分足らずで、現場から約二十五キロの手稲渓仁会病院のヘリポートから医師、看護師らが到着した。現場で呼吸を助ける管を挿入したり、血流を良くする薬を注射したりして、三十分後には心臓の鼓動や呼吸が戻った。
直ちに、札幌市北区の北大病院に搬送し、治療にあたったところ、三日後には意識が回復した。
ヘリが到着するまでの間、たまたま訪れていた三笠市の消防署員らが山田さんに心臓マッサージなどを行っていた。現場に向かった北大病院救急部の星野弘勝医師(33)は「通報が素早く心臓マッサージにもすぐ取り組んでくれたことが、よい結果に結びついた」と振り返る。
山田さんは「滑って前のめりになり海水を飲んだが、その後はまったく記憶がない。助けてくださったたくさんの方には、感謝してもし足りない」と、喜びをかみしめる。
道内のドクターヘリは、手稲渓仁会病院から主に道央圏に出動し、同病院と北大病院の医師十三人が、交代で任務に当たる。二○○五年度は二百十五回出動し、内訳は急病八十三件、交通事故五十八件など。
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ドクターヘリも浸透していくのでしょう。これから行うべきは円滑に進めるドクターヘリ体勢かな。救急車のように、国民の非常識な部分(タクシー代わりに使う、など)が露呈しないと良いのですが。