ビール1杯で顔が赤くなる人は、普通に酒が飲める人と比べ、食道がんになるリスクが少なくとも8倍以上にのぼることが、国立病院機構大阪医療センター(大阪市中央区)の辻仲利政・外科科長らの研究グループの調査で明らかになった。
飲酒時に顔が赤くなる「フラッシング反応」は、アルコールから代謝されたアセトアルデヒドが原因。アセトアルデヒドを分解、無毒化するアルデヒド脱水素酵素の正常型をもつ日本人は半数程度で、完全に解毒できない欠損型をもつ人との間で差が生まれる。
辻仲科長は平成14年、国立療養所久里浜病院(当時)などの医師らと、東京と大阪の食道がん、頭頸部がん患者約400人、健常者約1400人を調査。その結果、正常型の人が少量飲酒した場合に比べ、8.84倍もの食道がんの発生リスクがあり、さらに1日3合以上飲酒すると、実に114倍ものリスクがあることが判明した。
辻仲科長が、経験から指摘する「食道がんにかかる典型的な例」は、営業職などに配属され、酒が弱いのに、接待など付き合いで無理に飲むようになり、次第に普通に飲めるようになるケースという。
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よく酒に弱かった人が呑まされまくって「酒に強くなった」と言うケースを耳にしますが、それは嘘ですからね。ミクロゾームエタノール酸化系と呼ばれる代謝経路を強くすることはできても、10〜20%程呑めるようになるだけで、お酒に強くなっているわけではありません。
日本人は元々遺伝的にお酒に弱い体質なので、顔が赤くなる人は無理に呑まないほうが良いでしょう。普通に呑めるようになっても、それは変わらないです。ただ肝臓が無理をしてるだけですから。ご注意を。
参考:フラッシング反応
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