2011年10月07日

2011年度のノーベル医学生理学賞は「獲得免疫と樹状細胞の発見」

ノーベル賞:医学生理学賞発表 免疫の重要物質発見 細菌認識し、攻撃

 11年のノーベル医学生理学賞は、生物が細菌などの異物から体を守る免疫システムで業績を上げた3氏に贈ると発表された。

 免疫には大きく分けて「自然免疫」と「獲得免疫」がある。生体内に細菌などが侵入すると、まず働くのが自然免疫だ。

 ジュール・ホフマン氏は96年、Toll(トル)という遺伝子が感染症予防に重要な役割を果たしていることを、ショウジョウバエを使って発見した。ブルース・ボイトラー氏は、細菌を認識して免疫機構を作動させる、Tollに似たたんぱく質「Toll様受容体」をマウスの体内で発見し98年に発表した。こうした仕組みはヒトを含む脊椎動物や昆虫などに共通している。

 一方、獲得免疫は自然免疫の数日後に働く機構で、脊椎動物だけが持つ。ラルフ・スタインマン氏は、異物をのみ込むように自らの内部に取り込む、枝のような突起を持った「樹状細胞」を73年に発見。樹状細胞が分解した物質を白血球などの免疫物質に「抗原」として提示し、白血球が効率的に攻撃できるようにするなど重要な役割を果たしていることを明らかにした。

 授賞式はアルフレッド・ノーベルの命日である12月10日、ストックホルムで開かれる。

 今回、ノーベル医学生理学賞の受賞対象となった自然免疫の研究は、大阪大免疫学フロンティア研究センター拠点長の審良静男教授(58)も世界的な第一人者として知られる。受賞が決まったボイトラー博士とホフマン博士とは国際賞を同時受賞したこともある。

 審良教授は3日夜、「受賞した3人は尊敬すべき科学者であり、長年しのぎを削ってきたライバル。私自身、親しくしており、お祝いのメールを送った」とたたえ、「今回の受賞で免疫学の重要性が評価され、関心が高まれば、これに勝る喜びはない」とのコメントを発表した。

 一方、稲葉カヨ・京都大教授(61)はスタインマン教授と米ロックフェラー大で樹状細胞の共同研究に取り組んだ。「私たちの研究の重要性が認められた。今後の研究の励みになる。とてもうれしい」と声を上げた。



ノーベル賞:死去の米教授、医学生理学賞受賞へ 遺族沈痛「誇りに思う」

 ノーベル医学生理学賞を受賞するラルフ・スタインマン米ロックフェラー大教授(68)が発表前に死去していた問題で、ノーベル財団は4日、決定を変更せず賞を授与すると発表した。ノーベル財団は1974年に「死去した人に授与できない」との規定を決めている。ノーベル賞は厳格な審査と基準で権威づけられてきただけに、対応が注目されていた。

 スタインマン教授は9月30日、膵臓がんで死去した。4年前に患い、自らの受賞理由となった樹状細胞を使った免疫療法を受けていた。AP通信によると、家族は週明けの3日に死亡を公表する予定だったが、その日に授賞が発表されたという。

 財団によると、同教授の死去が賞の選考を行うスウェーデンのカロリンスカ研究所に大学から伝わったのは発表から3時間後の3日午後2時半(日本時間3日午後9時半)。連絡を受け、ノーベル財団は理事会を開き、対応を協議した。

 その結果、「このようなことはノーベル賞の歴史で前例がない」としながらも、「審査は、教授が生きているという前提で、誠実に行われた」と判断。「今回は授賞決定後に死亡したとの扱いにする」との声明を出した。

 ノーベル賞各賞の選考委員会は、寄せられた推薦の中から候補を絞り込む過程で、業績調査などを秘密裏に進め、受賞決定も発表直前まで本人に知らされない。96年には経済学賞に選ばれたウィリアム・ビクリー氏(カナダ)が発表の3日後に急死したが、発表後だったため12月10日の授賞式では賞が贈られた。



 獲得免疫、樹状細胞…もう今の医学部でも講義として当たり前のように勉強している事柄ですが、免疫学の最高に面白い箇所ですね。(簡単な本で良いなら、「休み時間の免疫学」という本がオススメです)

 当然といったところでしょうか。おめでとうございます!!

 iPS細胞が有力!とか言われてましたけど、発見されてから、まだ若すぎますもんねー。個人的にはまだまだ後じゃないかなと思いました。それでも、いつか必ず受賞するとは思いますけれども。

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posted by さじ at 07:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS
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